宮城のニュース

<杜の都のチャレン人>地域の宝 魅力伝える

初の物産市で陣頭指揮を執る工藤さん=昨年12月、作並湯の駅ラサンタ

◎作並地区の活性化に力を注ぐ/工藤秀也さん(75)

 片時もじっとしていない。目の前で話し込んでいたかと思えば、向こうで運搬を手伝っている。仙台市青葉区の作並温泉街にある観光交流施設「作並湯の駅ラサンタ」。昨年12月、古里の山形県鮭川村から生産者らを招き、初の物産市を催した。
 ラサンタの運営を担う作並振興協会の会長に昨夏選ばれ、利用低迷が続く施設の再生に力を尽くす。国道48号沿いで地の利は十分。「お客さんの行列ができた」。手応えに顔がほころぶ。
 いわゆる「よそ者」だ。20年ほど前、作並温泉に向かう途中に立ち寄った鳳鳴四十八滝の絶景に息をのんだ。階段状の滝が、白いしぶきを上げている。「さながら大地の血管のよう。一目ぼれでした」。程なく、近くの別荘を買った。
 2001年春、40年近くに及んだ東京でのサラリーマン生活を終え、秋に移り住んだ。川釣りを楽しみながら、気になったのがあまりに多いごみ。「グリーンパワー作並」を旗揚げし、ごみ拾いの仲間を募った。
 川のありようを真剣に考え始め、やがて、杜の都のシンボル広瀬川の環境保全に取り組む「広瀬川市民会議」や「広瀬川1万人プロジェクト実行委員会」の代表も引き受けた。「知らない人ばかりだった仙台で、出会いが視野を広げてくれました」
 自身を評して「真っ正直で黙っていられない。信じた道を突き進む性分」。そうは言うものの、事態が行き詰まれば人懐っこい笑みを浮かべて一歩引く。集まりで肩身の狭そうな人にはさりげなく話し掛ける。緩急自在である。
 70代も半ばとなり、体が時折警鐘を鳴らす。昨年も精密検査をどうにかくぐり抜けた。
 「よそ者だからこそ気付く作並の魅力がある。広く伝えて住民の誇りにつなげたいのです」。地域の宝を磨き、次世代にバトンを託す日まで休まない。いや、休めない。「滝にほれた弱みですかな」(志)

<くどう・ひでや>40年山形県鮭川村生まれ。青山学院大中退。国立国会図書館(東京)を定年退職後、仙台市青葉区新川に移り住む。妻と2人暮らし。有志で地元を盛り上げる「作並地区未来プロジェクト」の会長も務める。


関連ページ: 宮城 社会

2016年01月23日土曜日

先頭に戻る