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津波で流失「英霊録」復刻 大槌町遺族会

復刻された「英霊録」

 岩手県大槌町の戦没者遺族らでつくる町遺族会が復刻を進めていた「英霊録」が完成した。1955年に当時の遺族会が製作したが、東日本大震災の津波で大半が失われた。新たに52人の記録を追加し、氏名を調べやすいよう索引を設けるなど内容を充実させた。
 復刻版は290ページ。資料が確認できた計458人の顔写真や住所、軍での階級、亡くなったとされる場所を掲載した。復刻作業で明らかになった旧英霊録の氏名の正誤表や、別の記録誌を基に作成した町出身の戦没者555人の名簿も付けた。
 遺族から聞き取った戦没者の思い出も収録。「父は負傷して戻ってきたが再度招集され、髪の毛と爪だけが戻ってきた」(男性)「モダンで優しい父だった」(女性)「(父親の)遺品や遺影も津波で全部流された。戦争は嫌だ」(女性)といった記述が並ぶ。
 越田征男会長(70)は「70年以上前、国の命令で多くの若い命が失われた事実を忘れてはいけない。ばかばかしい戦争を繰り返さないため、後世に伝えたい」と話す。
 350部を製作して遺族に配布するほか、町や県の図書館などに寄贈する。


2016年01月23日土曜日

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