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<原発事故>工業団地水源、木戸ダムに変更へ

広野町の水道水を供給する小滝平浄水場

 東京電力福島第1原発事故で避難した住民の帰町が課題となっている福島県広野町は、工業団地の水を町内の浄水場の供給から、木戸ダム(楢葉町)が水源の広域水道に切り替える。居住する廃炉・除染作業員が増え、町内の浄水場だけでは安定供給が難しいのが要因。放射性物質が湖底に堆積する木戸ダムの水に抵抗感を抱く町民が多いことも考慮し、工業団地に限定した。

 広野町では現在、双葉地方水道企業団が、町内の川を利用する小滝平浄水場から全町に水を供給する。供給能力は1日約3000トン。原発事故前も安定供給に不安があり、2011年3月25日に一般家庭も含む町北部を広域水道に切り替える予定だった。
 広野町は帰町者が半分以下の約2400人にとどまる一方で、約3100人の作業員が暮らす。居住者は原発事故前とほぼ同数だが、帰町届を出さずに、いわき市と広野町を行き来する町民も加えると、給水人口は事故前より多い。町によると、小滝平浄水場の供給能力はぎりぎりの状態が続いている。
 工業団地で使う水は1日800〜1000トン。企業団が配管の洗浄など準備を進め、使用量が増える夏前には切り替える考えだ。
 木戸ダムを水源とする水道水をめぐっては、地元の楢葉町で帰町を妨げる要因の一つとされている。国は「浄水場などで何重もの対策を講じ、安全は確認されている」と強調しているが、広野町が17、18日に開いた住民説明会でも、家庭への給水には反対する声が町民から上がった。
 町復興企画課の担当者は「町民の帰還が進んでも、作業員が極端に増えない限り、当面は一般家庭に町内の水を供給できる。広域水道の水は安全だが、安定供給に向け、老朽化した小滝平浄水場の改修も調査、検討したい」と説明する。


2016年01月23日土曜日

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