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下水のノロウイルス濃度測定 胃腸炎流行を把握

 東北大の大村達夫教授(環境水質工学)のグループは、家庭などから出る下水に含まれるノロウイルスの濃度を測定する手法を開発した。下水処理施設に導入されれば、感染性胃腸炎の流行を迅速に把握し、警戒を呼び掛けることが可能になる。宮城県松島町で新年度、実証試験を行う計画で、食品衛生、観光などの関係者に呼び掛けて懇談会を発足させ、研究への理解を広める考えだ。

 大村教授によると、下水中のノロウイルスから遺伝子を検出し、その数を数える。1〜2日で測定できる。下水中の濃度の上昇は、感染性胃腸炎が流行する兆し。学校や高齢者施設などに予防の徹底を促すことができれば、2次感染の抑制が期待できる。
 感染性胃腸炎の患者から排出されたウイルスは下水を通じて海に入り、カキなどの貝に蓄積することも分かっている。ウイルスの増殖を抑えて水環境を改善することは、カキの養殖にも好循環をもたらす。
 懇談会には、下水道に関係する町や県の担当者、感染症の研究者、漁協関係者らも参加する予定。意見交換を通して研究成果への理解を促し、町内での実証試験につなげる方針だ。一般にも成果を知ってもらおうと、シンポジウムを2月19日午後1時、松島町のホテル松島大観荘で開催する。
 大村教授は「ノロウイルスの挙動を見ながら、感染症の流行を未然に防ぐのが狙い。監視システムを松島町で試行し成果が確認できれば、人口の多い首都圏などで導入することも可能だ」と話す。


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2016年01月24日日曜日

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