岩手のニュース

高橋克彦さんら執筆 震災の記憶を朗読劇に

短編小説を朗読する佐々さん

 岩手県内の作家による東日本大震災がテーマの短編小説集を基にした朗読劇が、各地で上演されている。震災の記憶の風化を防ごうと、盛岡市のNPO法人「いわてアートサポートセンター」が取り組む。つづられた震災の物語を、俳優らが情感を込めて読み上げる。
 朗読劇の原作は昨年10月に発刊された「あの日から」。盛岡市の高橋克彦さん、柏葉幸子さん、軽米町の北上秋彦さんら岩手出身の12人が執筆した。
 盛岡市肴町の「風のスタジオ」では24日、同市出身の久美沙織さんの「長靴をはいた犬」を上演した。脚が悪く子供用の長靴を履いていた飼い犬と避難時にはぐれ、故郷を離れた女性と、同じアパートに住む少年の心の交流を描いた。
 朗読したのは同市のフリー俳優佐々悠さん(28)。小説に合わせたイラストを映し出すスクリーンや照明の演出に合わせ、立ち上がったり歩いたりしながら、多くの役を演じた。
 約20人が聴き入り、目頭を押さえる人もいた。実家が津波で流されたという釜石市の会社員女性(53)は「前を向ける物語だった。震災の記憶を風化させないように、朗読劇を続けてほしい」と涙を拭った。
 いわてアートサポートセンターの坂田裕一理事長(63)は「小説や朗読を通して、震災で生まれた心の痛みや喜びを共有してほしい」と話す。
 朗読劇は4月まで上演する予定。盛岡市では31日にもりおか町屋物語館で開くほか、2、3月も日曜を中心に実施を計画する。2月は7日に宮古市、14日に二戸市、軽米町で上演する。入場料は500〜1200円。
 連絡先はいわてアートサポートセンター019(604)9020。


2016年01月27日水曜日

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