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「移動手術室」は施設?ドクターカーに待った

県が使用に待ったをかけた新型ドクターカー=八戸市市民病院

 全国初の移動型緊急手術室機能を備えた八戸市市民病院(青森県八戸市)の新型ドクターカーの運用開始が延び延びになっている。「移動手術室」とのネーミングに、青森県が「手術室ならば施設の一部でないか」と使用に待ったをかけた。医療法上の手続きが必要かどうか県の結論は出ておらず、病院側はできるだけ早い判断を求めている。

<昨年10月開始予定>
 「V3」の愛称を持つ新型ドクターカーは、心筋梗塞の治療に対応した医療機器を搭載する。2メートル四方のテントを展開して移動先で手術を行うことができ、ドクターヘリが飛べない場合に八戸以外の遠隔地に出動する。
 県は昨年春、報道で車両が「移動手術室」と呼ばれているのを知り、「医療法上、届け出が必要かもしれない」と指摘。内部で法的問題などについて検討しているが、運用開始予定の10月から4カ月近くがすぎても答えを出せないでいる。
 県医療薬務課は「昨年夏に国に問い合わせ、年末に回答があったが、詳細が不明な内容だった。また問い合わせている状況だ」と説明する。
 ドクターカーは通常、緊急車両として警察に届け出れば使用できる。仮に「施設」と判定されると、手洗い設備や感染予防の空調管理システム、保健所への届け出が必要になるという。
 病院側は「ドクターカーの運用は医師の判断事項。県の許可は不要と考えるが、使用を待ってくれと言われれば待たざるを得ない」(管理課)との立場だ。

<現場で活用判断>
 救命救急は一分一秒を争う。病院は今月中旬、大雪でドクターヘリが飛べない恐れがあるとして、現場の医師の判断でV3を十和田市へ向かわせた。結果的にドクターヘリが患者を搬送したため、V3が実際に活用された例はまだない。
 病院の過去5年の分析では、V3があれば少なくとも3人の命を救えた可能性があったという。救命救急センター所長の今明秀副院長は「県の返答がなくて困っている。そこに命懸けの患者がいれば(県の許可がなくても)現場の判断で走らせる」と話している。


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2016年01月28日木曜日


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