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<不審者侵入>宮城県、危機管理の甘さ露呈

不審な男が鍵を借り受けた県庁舎の防災センター

 宮城県庁舎と県自治会館(仙台市青葉区)に不審な男が相次ぎ侵入した事件は、県による危機管理対策の甘さを浮き彫りにした。警備のマニュアルが徹底されなかったばかりか、発覚後の内部の情報伝達も遅れに遅れた。専門家は「住民の機密情報を管理する自覚が足りない」と猛省を促す。
 「警備員が、実在する職員の名前を聞いて信用してしまった」。25日午後の記者発表で、庁舎管理担当の管財課職員が頭を下げた。
 男は23日未明、県庁舎の防災センターで医療整備課と医師確保対策室の鍵を借り受け、庁内に入った。県はマニュアルで身分証による本人確認を義務付けていたが、警備員が怠った。
 「単純な人的ミス」との管財課の釈明に、危機管理に詳しい大泉光一青森中央学院大大学院教授は「住民の機密情報が集まる県庁舎の警備を民間会社に任せきりで、管理者の自覚に欠ける」と反論。深夜や未明の入庁者には警備員が随行するなど「県主導で厳格なマニュアルを作るべきだ」と指摘する。
 内部の情報伝達も迅速さを欠いた。管財課から知事への正式報告は25日朝。全職員に知らされたのは発覚から4日後の27日だった。
 22日夜、自治会館にも男が侵入していたと明るみに出たきっかけは報道だった。ニュースで知った同館の警備員が26日昼、会議室の鍵を借りに来た男の存在を県職員に告げ、発覚した。
 会議室では25、26日、自治医科大の1次試験が行われ、医師確保対策室が会場運営を担当した。
 試験問題の持ち出し目的の侵入だった可能性が浮上したが、管財課が対策室に伝えたのは試験終了後。自治医科大は「試験会場への不審者侵入は前代未聞。把握していたら会場変更の検討も必要だった」と話す。
 仙台市では5月、主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)に伴う財務相・中央銀行総裁会議がある。大泉教授は「公共施設はテロの標的になる。『たまたま命が危険にさらされなかっただけ』との危機感を全職員が持ってほしい」と訴える。


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2016年01月29日金曜日


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