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<いわて酒造り>杜氏の経験を自動化

近代的な工場で、自動製麹機にかける前に米の状態を確認する従業員

◎一滴入魂(3)進取

 麹(こうじ)を造る自動製麹(きく)機が、ウォンウォンとうなりを上げる。
 盛岡市の「あさ開」。手作業に加え、機械を導入し、精米、麹造りを含めた工程を自動化した。醪(もろみ)はタンク内の回転棒がかき混ぜる。
 杜氏(とうじ)を務める藤尾正彦さん(71)は「自動化で負担が減った分、手作りの工程に力を注げるようになった」と機械導入の効果を語る。
 機器を備えた酒蔵が建ったのは1988年。蒸し米、製麹、発酵といった工程を、一定の条件に設定し24時間稼働する。気温や湿度の違いによる味のぶれがなくなったという。
 麹の保温や醪をかき混ぜる加減は、杜氏の経験を数値化して入力する。米の吸水だけは杜氏の判断で時間を決める。藤尾さんは「吸水時間は1秒単位。一瞬の判断が必要で、研ぎ澄まされた勘の機械化は難しい」と話す。

[米洗い]精米した米の糠(ぬか)を取り除く洗米と、米に水を吸わせる浸漬(しんせき)の工程を指す。浸漬は、米を水に漬け、必要な量の水分を米の芯まで十分に吸わせる。気温、水温、湿度などで吸水量は変化するため、浸漬時間は杜氏が秒単位で判断する。


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2016年01月30日土曜日

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