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<いわて酒造り>ストーブ囲み語らう

だるまストーブを囲んで語り合う常連客。30年前の最盛期は裏口まで20人が座って酒を飲んだという
なみなみとつがれた「もっきり」。2、3杯を口にして家路に就く人が多い

◎一滴入魂(4)風情

 町家づくりの店の奥、6畳のたたきに集い、酒を手にした客が語らう。
 盛岡市鉈屋町の「細重酒店」。平日の夕方、酒屋で飲める「もっきり屋」が開く。おかみの細川陽子さん(68)は「昔はどこの酒屋もやってたけど、今は市内に2軒だけ」と話す。
 鉈屋町周辺は湧き水が多く、昔から酒蔵や酒屋が並んでいた。行商人らが旅の途中、店先で立ち飲みを始めたのが由来という。
 開店は午後3時。常連客がのれんをくぐり、指定席に着く。30年以上通い続ける男性(84)は「週5日は来る。みんな顔なじみ。寂しくないね」とコップ酒をグイと飲み干した。
 酒をコップになみなみと注ぐ盛り切りが「もっきり」になったと言われる。値段は1杯200円。細川さんは「平日でも10人は集まる。皆にとって憩いの場。来てくれる客がいる限り続けたい」と話す。

[鉈屋町] 江戸から明治にかけ、北上川の舟運や奥州、釜石、宮古の3街道が集まる交通の要衝として栄えた。街道沿いには商店と住まいが一緒になった盛岡町家が並ぶ。名水と言われる湧き水が豊富。水を利用した造り酒屋、豆腐店、そば屋などが並ぶ。


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2016年01月31日日曜日

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