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<検証福島の学校>仮校舎30校 不便続く

帰還困難区域にある津島小校舎。空間放射線量は玄関付近で毎時2マイクロシーベルトを超える=2015年11月、福島県浪江町
原発事故前、学校行事で農作業を体験する津島小の児童。全校で50人以上が通っていた(浪江町教委提供)

 東京電力福島第1原発事故の影響で避難し、授業を再開した小中48校のうち、30校が今も避難先で授業を続ける。15校はプレハブ校舎、15校が廃校となった学校や他校の校舎を借りている。プールや特別教室などがない学習環境上の制約も多く、プレハブ校舎は傷みも目立つ。
 三春町で再開した富岡町の幼稚園と小中4校は、工場の管理棟だった建物を改修して校舎にしている。スペースの関係で、理科や家庭科などの特別教室を設置できないため、多目的室を使い分ける。教材を収納しきれず、科目が変わるたびに廊下の棚から運んで使っている。
 昨年6月、敷地内に仮設の体育館が完成した。中学校の部活動を再開できたが、スクールバスの都合で夏でも午後5時半には切り上げる。プールはなく、中学生は水泳の実技を行っていない。
 幼稚園と小中学校が1カ所に集まった長所もある。学習状況や心のケアに関し、教師間の情報共有が円滑になったことだ。富岡二中の山田克行校長は「一緒に学ぶメリットを生かし、できる限りの学習環境を提供したい」と話す。
 南相馬市小高区の4小学校のプレハブ校舎は同市鹿島区の鹿島中の敷地に立つ。ことし3月で築5年を迎え、床下の木材が傷み、廊下のあちこちに起伏ができている。古里に戻る時期は決まっておらず、当面は補修しながら使い続けるしかない。小高小の高野博幸校長は「施設面の不足をソフト面のきめ細かな対応でカバーしたい」と語る。


2016年02月01日月曜日


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