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<自衛隊監視訴訟>二審は1人のみ賠償命令

控訴審判決を控え、仙台高裁に入る原告ら=2日午前10時30分ごろ、仙台市青葉区

 自衛隊の情報保全隊がイラク派遣に反対する市民運動を監視したのは違憲として、東北6県の住民91人が国に監視の差し止めと1人当たり100万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、仙台高裁は2日、住民1人に10万円の損害賠償を国に命じた。差し止め請求は退けた。一審判決はこの住民を含む計5人への賠償を命じていた。
 高裁は、国に賠償を命じた住民1人についてのみ、「公表していない本名や職業という情報を違法に収集され、プライバシーが侵害された」と判断した。
 主な争点は(1)情報収集が、法律上保護された権利や利益を侵害するか(2)差し止めを求める対象が具体的で訴えが適法か−の2点。
 住民側は「国家による監視は国民の自由な表現活動への弾圧だ」と主張し、現在も続く監視の即時差し止めを求めた。国側は「反対活動は隊員に心理的混乱を生じさせる危険性があった」と反論、情報収集の必要性を訴えた。
 2012年3月の地裁判決は、原告のうち住民5人について「国は氏名や職業、支持政党など思想信条に直結する個人情報を集め、自己の個人情報をコントロールする権利(人格権)を侵害した」と判断。国が情報収集の妥当性を裏付ける具体的な主張をしてこなかった点を挙げ、「違法とみるほかない」として、国に計30万円の支払いを命じた。差し止め請求は「対象が特定されていない」として却下した。
 地裁判決によると、情報保全隊は02年12月〜04年1月、全国各地で自衛隊のイラク派遣に反対する活動に参加した住民の氏名や職業などを記録した。住民、国の双方が控訴した。


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2016年02月02日火曜日

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