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<自衛隊監視訴訟>判決に二面性 評価割れる

「勝訴」と「不当判決」。控訴審判決後、仙台高裁前で相反する垂れ幕を掲げる弁護団=2日午前11時5分ごろ、仙台市青葉区

 自衛隊の情報保全隊による情報収集の違法性を認めた2日の仙台高裁判決。原告・弁護団は、仙台地裁判決に続き違法性を認定した点は評価しつつ、損害賠償が認められた原告が5人から1人に減ったことなどを挙げ、複雑な表情を浮かべた。
 「勝訴」と「不当判決」。閉廷直後の午前11時5分ごろ、弁護団の弁護士2人が掲げたのは相反する垂れ幕だった。「二面性がある判決」。矛盾する内容をあえて前面に出し、弁護団の思いを代弁させた。
 地裁段階で国の違法性を認めても、高裁で覆されるケースは少なくない。小野寺義象弁護士は「高裁も違法性を認めた点は画期的」と強調したが、「1人しか認めないのは不当。怒りを禁じ得ない」と話した。
 仙台市内であった記者会見などでも、判決への評価は割れた。
 「問題は人数ではない。たった1人でもプライバシー侵害が認められ、勝ったと思っている」。原告団長の後藤東陽さん(90)は力説した。
 宮城県亘理町で芸名でライブ活動をしただけだとして、唯一、請求が認められた原告の男性は「戦前の憲兵がやっていたような情報収集や探索は全て違法として、全員の請求を認めてほしかった」とのコメントを出した。
 高裁判決で請求が退けられた原告4人の1人、小沢和悦・大崎市議(71)は「政治家であっても、堂々と意見が言えなくなる恐れがある」との懸念を口にした。
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 自衛隊の情報保全隊がイラク派遣に反対する市民運動を監視したのは違憲として、東北の住民91人が監視差し止めと計9100万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、仙台高裁は2日、住民1人にのみプライバシー権侵害を認定し、国に10万円を支払うよう命じた。差し止めの訴えは退けた。仙台地裁判決はこの住民と地方議員4人の計5人への賠償を命じていた。住民側は上告する方針。


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2016年02月03日水曜日

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