山形のニュース

<シャインマスカット>山形ブランド確立へ強化

出荷拡大でブランド確立を目指すシャインマスカット(山形県提供)

 山形県は新年度、皮ごと食べられる種なし大粒ブドウ「シャインマスカット」の出荷拡大に乗りだす。栽培面積を約1.5倍に広げ、市場に流通する量を増やすほか、遅場産地の利点や貯蔵技術を生かし、長期間の販売に取り組む。12月のギフト需要期に出回る果物として認知度を高め、「山形ブランド」を確立する。

 県と産地の農協などでつくるプロジェクト会議が1月28日にあり、新年度の栽培面積を150ヘクタール、生産量を1200トン、長期貯蔵で12月以降に出荷する割合を10%とする目標を決めた。
 山形県産シャインマスカットの栽培面積と出荷量の推移はグラフの通り。高畠町や南陽市などを主産地に年々増加し、全国4番目の産地に成長したが、シェアはまだ2%で、47%の長野県、38%の山梨県に大きく水をあけられている。
 県内は生産量日本一の小粒ブドウ「デラウエア」の比重が大きく、シャインマスカットは出荷量が圧倒的に少ない。新年度は苗木の安定供給を図って栽培面積を拡大し、まずは流通量を増やして存在感を高める。
 シャインマスカットは糖度が高く、粒が大きいのが特長。高級果物で贈答用に人気がある。1キロ平均1591円(2015年、全国4大市場実績)と高値で取引されるため収益性があり、全国各地で産地化が進んでいる。
 山形産は品質への評価が群を抜く。9〜10月に最も出回る長野産や山梨産より出荷期が遅く、1キロ平均2400〜3000円と単価が跳ね上がる11月以降の販売を狙える強みもある。
 さらに、新年度は長期貯蔵品の出荷に力を入れる。長期貯蔵は切断した穂軸を水分補給容器に挿入し、冷蔵庫内で鮮度を保つ技術。品質を維持したまま出荷期を遅らせ、クリスマスや歳暮で贈答需要が高まる12月までの販売継続を目指す。
 百貨店や果実専門店などに「冬の山形産」を認知してもらい、主産地との差別化を図りたい考え。中国の旧正月「春節」に伴う需要増なども視野に入れ、海外市場への輸出も検討する。
 県園芸農業推進課の担当者は「山形産は高評価を得ているが、いかんせん流通量が少ない。貯蔵技術の普及や傷みの少ない出荷形態の確立など課題は多いが、収益増につながる可能性は大きく、何とか山形ブランドを確立したい」と話す。


関連ページ: 山形 経済

2016年02月03日水曜日


先頭に戻る