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<震災5年へ>天に届け鎮魂の花火

震災犠牲者に向けて打ち上げられた「慰霊の花火」
花火の打ち上げ前に、津波の犠牲者に黙とうをささげる参加者

 東日本大震災で校舎が被災した東六郷小(仙台市若林区)で、震災犠牲者に向けた慰霊の花火が打ち上げられた。地域の交流会の目玉にしようと住民たちが、募金活動で資金を集めて実現にこぎ着けた。被災して地域を離れた住民も集まり、震災から5年を前に復興へ心を一つにした。
 夜のとばりが降りた冬空に1月24日、大小75発の花火が輝いた。旧校舎に駆け付けた六郷東部地区の住民ら約280人は、大きな花火が上がる度に歓声を上げた。
 同地区は住民126人が津波で犠牲になった。花火は鎮魂の意味を込め、多くが白色。打ち上げ前には全員で黙とうをささげた。若林区井土浜の加藤新一さん(75)は「亡くなられた人も天上で花火の音を聞いてくれたと思う」と語った。
 交流会は、地域のにぎわい作りを目的に住民主体でつくる「わたしのふるさとプロジェクト」が主催。他の地域に移った住民にも声を掛け、震災の記憶を伝承しようと、昨年1月、初の交流会を開いた。
 花火の打ち上げは今回が初めて。資金の工面が課題だった。メンバーの住民らは市内の復興イベントや地下鉄東西線の開業イベントなどで募金活動をして15万円を集めた。
 打ち上げ前に郷土料理の「おくずかけ」が振る舞われ、参加者は温かな料理を口にしながら再会を喜んだ。参加者が「絆」「感謝」などのメッセージを書き添えた手作りのあんどん400個を校庭に並べると、「未来へつなぐ 1.24」の文字が浮かび上がった。
 同校は現在、六郷中で授業をし、2017年4月に六郷小に統合される。プロジェクトの代表で東六郷小のPTA会長を務める大内文春さん(42)は「学校がなくなっても、皆が集える交流の場を今後もつくり、次世代に震災の記憶をつないでいきたい」と話した。


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2016年02月05日金曜日

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