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<原発事故>フジツボや巻き貝 大幅に減少

 東京電力福島第1原発事故後、原発南側に位置する福島県大熊町や富岡町の沿岸に生息するフジツボや巻き貝などの無脊椎動物が大幅に減少したことが国立環境研究所の調査で分かった。石巻市など他の津波被災地との比較から、津波の影響は考えにくく、原発事故で流出した汚染水が影響した可能性があるという。
 研究所は2011年12月〜13年6月、原発20キロ圏の沿岸と、岩手〜千葉県沿岸で潮間帯(潮の干満で露出と水没を繰り返す場所)の無脊椎動物の生息状況を調査。12年4〜8月は、第1原発に近づくにつれ、無脊椎動物の種類が減ることが判明。双葉〜広野町では巻き貝の一種イボニシが全く採取されなかった。
 13年5〜6月は、石巻や茨城県沿岸など5地点で15〜25種が確認されたのに対し、大熊は8種、富岡は11種にとどまった。1平方メートル当たりの個体数も両町は2404〜2864個で、5324〜3万5896個の他地点と比べ、いずれも少なく、1995年に東電が福島県沿岸で実施した調査(平均7158個)と比較してもフジツボ類などが大きく減少した。
 原発事故で高濃度の放射能汚染水に加え、ホウ酸などの化学物質も大量に流出された。研究所は今後、室内実験などを通じ、因果関係を詳細に調べる。研究所の堀口敏宏室長は「原発南側で影響がより大きかったとみられるのは、親潮の流れで汚染水が南下した可能性が考えられる」としている。
 研究結果は4日、英科学誌「サイエンティフィックリポーツ」に掲載された。


2016年02月05日金曜日

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