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<東北観光>ストーリー性重視 周遊構築急ぐ

清野智会長(せいの・さとし)47年、仙台市生まれ。東北大卒。70年旧国鉄入り。JR東日本常務、副社長を経て06年社長就任。12年4月から会長。15年6月から東北観光推進機構会長。

 全国的に訪日外国人旅行者が急増する中、東北は恩恵を十分に受けきれない状況が続く。昨年6月、東北6県と新潟県の官民でつくる東北観光推進機構のトップに就いた清野智JR東日本会長に、誘客の課題や今後の取り組みを聞いた。(報道部・奥山優紀)

◎東北観光推進機構 清野智会長に聞く

 −就任から8カ月。課題は何か。
 「東北は自然や文化などいいところがたくさんあるが、国内外に向けた積極的なPRが足りなかった。自分たちはやっているつもりでも、他の地域はもっとやっている。国内外で人気の飛騨高山(岐阜県)は、20年以上前から努力してきた成果が出ている。われわれも情報発信のレベルを上げていかなければいけない」
 「新年度の復興庁予算に東北の観光振興費として50億円が計上され、観光客誘致は各県や当機構だけでなく国の目標になった。バックアップがあるのに結果が出ないのは許されず、責任は重いと感じている。当機構と自治体が一緒に施策を打っていく必要がある」

 −東北のどんな点を売り込むのか。
 「東北の持つ日本ならではの良さだ。自然や温泉、もてなしなど日本の良さに触れたい外国人が今後増えると思う。東北は四季も豊かで、桜は福島から青森まで北上すれば約1カ月間楽しめる。新緑や紅葉などの時季に、ベストな場所を紹介できるのも強みだ」

 −誘客の具体策は。
 「観光庁の認定を受けた広域観光周遊ルート『日本の奥の院・東北探訪ルート』を基にしたモデルコース作りを急ぐ。慈覚大師ゆかりの寺院を巡るコースや縄文遺跡コース、宮城と山形の芋煮といった鍋文化を体験するコースもいい」
 「ストーリー性を重視したモデルコースを目指しており、コースから外れるエリアが出てくる。不満が出るかもしれないが、平均的なコースではおもしろくない。東北全体を盛り上げるのに必要な過程だと理解してほしい」

 −成功の鍵は。
 「東北の連携だ。人口減少が進む中、地域が生き残るためには東北に来る人を増やさなければいけない。現状は各県単位で売り込んでいるが、外国人客は1県で3泊4日は過ごさない。地道に官民の連携を呼び掛けており、県知事がそろっての海外プロモーションを行うことも提案している」


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2016年02月05日金曜日

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