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<バイオコークス>もみ殻原料 新燃料増産へ

植物由来の原料を高圧で固めて作るバイオコークスの生産設備
出来上がったバイオコークス。円筒形で直径10センチ、高さ5〜7センチ。かちかちに固まっている

 石炭関連の技術開発を進める石炭エネルギーセンター(東京)は、もみ殻などを原料に新燃料「バイオコークス」を作る秋田県横手市の実証プラントを一新し、生産能力を1日2トンと約7倍に増強して1月に稼働させた。岩手県内の清掃工場のごみ溶融炉に供給し、補助燃料として使っている石炭コークスの一部に代える取り組みも開始。補助燃料としての性能を確認し、本格的な実用化を探る。
 植物は成長時に二酸化炭素(CO2)を吸収し、燃やしても環境全体のCO2は増えないと見なされる。農山村から出る植物性廃棄物を燃料に再生し、化石燃料を継続的に代替できればCO2排出削減につながるため、温暖化対策に役立つ新技術として期待される。
 センターは環境省の委託を受け、2017年度までの3年間、実証に取り組む。バイオコークス関連特許を持つ近畿大、燃料提供先の盛岡・紫波地区環境施設組合清掃センター(岩手県矢巾町)のプラントを設計したJFEエンジニアリング(東京)との共同事業。
 横手市でのバイオコークス生産は13年5月に始めた。鉄道会社に提供してSLを走らせたり、鍛冶職人に使ってもらったりして、用途によっては石炭代わりに使えることを確認したが、生産能力が1日約300キロと少なく、需要先も限られていた。
 今回、一定量の消費が見込め、CO2削減効果が大きいごみ溶融炉に狙いを定め、新設備を導入した。原料は間伐材中心から、重量比でもみ殻50%、キノコ栽培に使ったおがくず主体の廃菌床25%、バーク(樹皮)25%の混合物に変更。剪定(せんてい)した庭木やわらなども使えるといい、多様な廃棄物を原料にできることも実証で確かめる。
 ごみ溶融炉では、炉内を高温にするため補助燃料として石炭コークスを投入することが必要だ。2基ある炉のうち1基向けにバイオコークスを無償で提供。石炭コークスの年間使用量約1000トンのうち約250トンを置き換える。1月22日に初出荷し、利用が始まった。
 石炭エネルギーセンターの橋口昌道専務理事は「CO2フリーなバイオ燃料と石炭を混焼させることで、その分の排出のカウントをゼロにできる。今回はごみ処理施設向けだが、同様の手法で石炭火力発電所にも応用できる」と話す。

[バイオコークス] 人工石炭とも呼ばれ、植物系原料を高圧で固めて作る。粉砕した原料が結合しやすくなるよう170度前後に加熱しながら、150気圧で加圧。現時点では製造コストが高く、熱量も石炭に及ばないが、CO2排出削減につながるとして技術開発が進められている。


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2016年02月09日火曜日

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