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<宮城県予算>新事業 説明丁寧に

 県が9日発表した2016年度一般会計当初予算案は、東日本大震災の集中復興期間(11〜15年度)が終了するのを受け、村井嘉浩知事が提唱する「創造的復興」の現在地を確認し、その具体的な成果を踏まえた編成となった。

◎水素エネ破格の支援

 新年度の復興施策の目玉は水素エネルギー利活用推進事業だろう。商用水素ステーション整備の負担軽減を図るため、民間企業に3億8000万円を助成する破格の支援に踏み切る。水素をエネルギー源とする燃料電池車の購入者にも100万円の補助金を出す。
 東北の水素社会先進地を目指す村井知事らしい思い切った政策だ。しかし被災地に目を向ければ、災害公営住宅の完成が5割に届かず、労働力不足で産業再生もままならない。16日に開会する県議会2月定例会では、水素エネルギー事業が復興にどう貢献するのか、村井知事には丁寧に説明してもらいたい。
 福祉分野では新規事業として、障害者の地域生活支援拠点の整備推進費に5億円を盛り込み、子どもの貧困対策にも1600万円を配分した。知事部局と県教委が連携を強化して臨む里親支援センターの運営にも予算を付けた。
 「福祉は本当に困った人のためにある」との村井知事の政治哲学を具体化させる試みであり、ぜひ継続した取り組みとなるよう期待したい。村井知事は市町村から要望が相次ぐ子ども医療費への県助成を「ばらまきにすぎない」と拒否し続けているが、批判をそらすための事業であってはならない。
 集中復興期間終了で、新年度はハード事業を中心に18億円の地元負担が生じると試算された。負担は復興庁との協議の末に最小限に絞られたとはいえ、被災地復興への影響を探る検証作業は不可欠だ。(解説=報道部・浅井哲朗)


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2016年02月10日水曜日

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