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<大川小と門脇小>保存か解体か遺族ら訴え

さまざまな意見が出た大川小の公聴会

 宮城県石巻市は13日、東日本大震災で被災した大川小と門脇小の校舎の遺構保存をめぐり、市民を対象とした公聴会を市内で開いた。大川小の公聴会では12人が意見を述べ、うち8人は保存に賛成し、4人は解体を求めた。亀山紘市長はこの日の意見などを踏まえ、年度内に保存の可否を判断する考えをあらためて示した。
 児童と教職員計84人が犠牲となった大川小の公聴会は飯野川中であり、遺族や地元住民ら約70人が参加した。6年だった次女みずほさん=当時(12)=を失った佐藤敏郎さん(52)は保存を求め「遺構としての意義を考える上で最も大切なのは未来のために有益かどうか。楽しく学び遊んだ子どもと先生がいたことを深い悲しみとともに伝えていくべきだ」と語った。
 6年だった長女小晴さん=当時(12)=を亡くした平塚真一郎さん(49)は解体を訴えた。市が昨年実施した大川小校舎に関するアンケートで、地元住民の54.4%が「解体」と答えた経緯などに触れ「悲しみを想起させ、遺族に苦しみを与える校舎は必要ない。遺族や集う方々の心安らぐ場にしてほしい」と望んだ。
 門脇中であった門脇小の公聴会には約40人が出席。意見を述べた9人のうち5人が保存を支持、3人が解体を訴えた。1人は「是非を急いで決めるべきでない」との立場だった。
 門脇小では下校していた児童7人が犠牲になった。当時、校長だった鈴木洋子さん(65)は「未来の子どもたちを津波から守りたい。校舎を学びの場として多くの人に足を運んでもらい、風化を押しとどめたい」と保存を要請した。
 一方で菊池康博さん(76)は「子ども3人が門脇小を卒業し、思い入れはあるが、公費での保存には反対。費用は復興に使うべきだ」と解体を主張した。
 両会場とも意見発表者からは時間をかけて議論を尽くすよう求める声が相次いだ。亀山市長は終了後、「遺族らの率直な思いを聞くことができた。保存、解体の両者が納得できるような解決策が見いだせないか考えたい」と話した。


2016年02月14日日曜日

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