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カットで奉仕4年半 仮設巡回活動終える

最後の活動でカットをする久保さん(左)=8日午前、亘理町の公共ゾーン仮設住宅

 神戸市の女性美容師が東日本大震災で大きな被害が出た宮城、福島両県の仮設住宅などで続けてきたカットのボランティア活動を終えた。生活再建が進み居住者が減ったことから、震災5年を区切りと考え、決めた。髪の手入れを通じて明るさを取り戻した被災女性らは、これまでの支援に感謝している。
 最後の活動は今月8日、亘理町の公共ゾーン仮設住宅であった。美容師久保〓(じゅん)子さんは椅子に座る被災者に「切るのは1センチぐらい?」と語り掛けながら、はさみを動かした。
 久保さんは2011年7月からボランティアを続けてきた。神戸市内の友人らでつくる支援団体「ご縁を支援に救援隊」の一員として月1回ほどのペースで亘理町と南相馬市の仮設住宅を回って無償でカットしてきた。転居先への出張も気軽に応じた。
 活動を継続した理由を「カットして喜ぶ皆さんの顔が見たい一心だった」と久保さん。1995年の阪神大震災で当時の店舗が全壊して3年後に再建した経験を持ち、東北の被災者が人ごとと思えなかった。
 忘れられない出来事もあった。昨年2月、南相馬市で常連の高齢女性がカットしてわずか2日後に亡くなった。「いつも無口なのに、その時だけ『ありがとう。またね』と言ってくれた。それが別れになるとは思わなかった」と思い返す。
 久保さんは3月に団体主催のイベントで再び被災地を訪れるが、カットのボランティアは今回が最後と決めた。
 「名残惜しいけど、みんなが元気で自立することを願っている」と久保さん。亘理町の仮設住宅でよくカットしてもらい、現在は再建した自宅に戻った丸田和子さん(77)は「久保さんが来るのがみんな楽しみだった。被災の悲しみから前を向くことができた」と感謝する。

〓はにんべんに旬


2016年02月14日日曜日


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