山形のニュース

<モンテ>県民意思重視 忘れないで

 【解説】サッカーJ2山形を揺るがした社長解任騒動は16日、サポーター団体が株主の吉村美栄子山形県知事に7112人分の抗議署名を提出し、ひとまず区切りを付けた。県民の負託を受けた知事が、県民に猛省を促されるという構図は異常事態と言うほかなく、知事には署名の重みをかみしめてほしい。
 抗議署名は県内外から寄せられた。「7112人」は、2015年の1試合平均観客動員(1万30人)の7割に相当し、14年(6348人)を超える。知事は「前社長が辞めて良かったという意見もある」と主張するが、どちらが大勢かは数字を見れば明らかだ。
 知事には、県民を代表する形で株主の立場が与えられている。だが、今回の社長解任の判断は、県民意思を代表していたとは言い難く、「モンテを私物化している」との批判を招いた。
 県は13年8月、運営団体が株式会社モンテディオ山形(天童市)に変わった際、わずか2%だが株式を保有した。当時の関係者によると、その目的は「クラブ運営に県民意思を反映させるため」。不可解な運営や人事があった時、歯止めを掛けるためだったという。
 民間企業を母体に誕生したJリーグのクラブが多い中、山形は社団法人を運営主体に発足した。特定の企業や団体に影響されず、県民全体でクラブを支える文化が地域に根付く。株式保有はこの「山形らしさ」を担保する仕組みでもある。
 今回の社長解任騒動は、知事が自らその仕組みをないがしろにした感がある。県民が歩んだ歴史、育んだ文化を軽んじていないか、立ち位置を見つめ直す機会にしてほしい。(山形総局・長谷美龍蔵)


2016年02月17日水曜日

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