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「証拠物隠して」捜査員、容疑者母に指示か

 宮城県警大河原署が覚せい剤取締法違反容疑で容疑者の男性宅を捜索した際、捜査員が男性の母親に証拠物の注射器を捜索直前まで隠すよう指示していた疑いのあることが18日、関係者への取材で分かった。証拠隠滅を防ぐ狙いがあったとみられるが、容疑をかけられた男性側は「不当な捜査だ」と批判している。
 捜索を受けたのは同県大河原町金ケ瀬の男性土木作業員(22)。同法違反容疑では立件されず、捜索時に捜索令状を引き裂いたとして公用文書毀棄(きき)罪で起訴された。
 弁護側は16日の初公判で、母親(52)が昨年12月9日、息子の自室にあった注射器を見つけ、警察に相談した経緯を説明。その際、捜査員が母親に注射器を隠させ、捜索直前に元の場所に戻すよう指示した、と主張した。
 起訴状によると、被告は同日午後5時45分ごろ、自宅を訪れた大河原署の男性警部補が示した令状を目の前で引き裂いたとされる。弁護側によると、注射器などから覚せい剤反応は出なかった。
 母親は18日夜、河北新報社の取材に「警察官から『捜索に行く連絡をしたら、元の場所に戻して』と言われ、台所から息子の部屋に戻した。注射器を見つけ、心配になって中身を調べてもらおうと連絡しただけなのに…」と述べた。
 弁護側は「やらせ捜査と指摘されてもやむを得ない不当な捜査だ」と批判。捜査関係者も「家宅捜索は、あるがままを押さえるのが基本だ」と指摘する。
 大河原署は取材に「公判で審理されている内容であり、指示の有無を含めて答えられない」と話した。

<事実ならやらせ捜査>
 ジャーナリストの大谷昭宏氏の話 事実とすれば明らかに違法で、やらせ捜査だ。捜索前に証拠物を恣意(しい)的に移動すれば証拠能力が失われる。警察が内偵捜査などの基本動作を怠った。起訴された罪は違法捜査に基づくもので、成立しないはずだ。


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2016年02月19日金曜日


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