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<原発事故>自主避難に賠償「救済の追い風」

 東京電力福島第1原発事故をめぐる損害賠償訴訟で、18日の京都地裁判決は自主避難者への賠償を東電に命じた。東電との直接交渉のほか、原子力損害賠償紛争解決センターへの裁判外紛争解決手続き(ADR)の申し立てや提訴支援に取り組む原発被災者弁護団(東京)の共同代表は判決を「避難者救済の追い風になる」と評価する。同種の集団訴訟は各地で起こされており「同じような判決が続けば、ADRの判断にも影響する可能性がある」として今後の動きを注視する。(1面に関連記事)
 住民の損害賠償請求は東電との直接交渉が大半を占め、次に処理件数が多いのがADR。センターは迅速な解決を目的として設置されており、国の指針に基づき、半年程度で和解するのが通例だ。
 文部科学省のまとめでは、2011年9月のセンターの業務開始以降、昨年末までに約1万8千件の申し立てがあり、約1万3千件が和解。約2600件が打ち切りや取り下げとなった。文科省によると、自主避難者は避難指示などの対象となった地域の住民に比べ、ADRで提示される和解での賠償額は少額となる例が多いという。
 不服がある場合は再申し立てのほか、指針に縛られることなく結論を出せる訴訟を起こすこともできるが、裁判ではより厳格な主張、立証が必要となり、手間や時間がかかる。
 今回のケースに限れば、提訴から判決まで約2年半を費やしたが、訴訟では賠償総額が約3千万円と算定され、ADRで示された約1100万円を上回った。


2016年02月19日金曜日


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