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<大館曲げわっぱ>品質劣る偽物 通販かく乱

裁断すると、簡単に割れてしまう偽物の曲げわっぱ(右)と、本物の大館曲げわっぱ

 秋田杉を使った秋田県大館市の伝統工芸品「大館曲げわっぱ」の偽物が、インターネットの通販市場で大量に出回っている。偽物は人気のある弁当箱が大半。中国製とみられ、品質は本物よりも劣る。大館曲げわっぱ協同組合(大館市)は、信用に関わるとして地域団体商標を取得したり独自に作製したシールを商品に貼ったりして偽物と差別化を図るが、根本的な対策は難しいのが実情だ。
 偽物の曲げわっぱの弁当箱は2000〜3000円と、本物の7000〜8000円の半額以下で販売されている。ネット上では原産国、生産国の部分に中国と小さく書かれているものもあるが、一般の人が商品の写真だけで偽物かどうかを見極めるのは難しい。
 偽物は4、5年前から出始めたという。佐々木悌治理事長(84)は「曲げわっぱの弁当箱は2、3カ月待ちの状態。生産が追い付かないため、日本の問屋が中国に発注しているのかもしれない」と指摘する。
 偽物は原材料に安価なベニヤ板などを使用。20年以上愛用する人もいるほど耐久性のある本物とは違い、数年で劣化するという。偽物と知らずに弁当箱を購入した人が大館市の職人に修理を依頼した例もあった。
 組合は「品質が悪い物を本物と勘違いされては困る」(佐々木理事長)と、2013年6月に「大館曲げわっぱ」の地域団体商標を取得。だが、偽物は「曲げ輪っぱ」「わっぱ」などと表記されているため、商標法違反には当たらない。
 組合は昨年4月ごろ、新たに「大館曲げわっぱ」と地域団体商標が書かれたシールを作製。組合に加盟する七つの会社、工房に使用を呼び掛けた。
 ただ、シールは1枚当たり4円掛かる上、グッドデザイン賞のシールや工房の刻印などで独自性を出している所もあり、組合員の間では「加えて商標シールを貼る必要はない」という意見が多い。商標シールを使っているのは大館工芸社1社にとどまる。
 産地側は、何らかの形で本物であることを明示するしか偽物対策を見いだせないのが現状だ。大館工芸社の三ツ倉和雄社長(75)は「いい物を作り続け、お客に本物を選んでもらうしかない」と語る。


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2016年02月22日月曜日


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