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<点検復興創生>試される知事の本気度

職員を交え、談笑するグループホームの入居女性ら=栗原市金成のさわべホーム

 村井嘉浩宮城県知事が「復興創生 加速化予算」と名付けた2016年度一般会計当初予算案をめぐる宮城県議会2月定例会での審議が間もなく本格化する。東日本大震災の国の集中復興期間(11〜15年度)終了後初の予算案は、復旧復興関連事業が減少する一方、手薄とされた福祉・教育分野への目配りがのぞく。村井知事が唱える「創造的復興」の完遂へ、県震災復興計画(11〜20年度)の折り返しの年に当たる予算案を検証する。

◎16年度宮城県予算案から(上)福祉シフト

<需要100カ所予測>
 一軒家やアパートなど民間物件を活用し、知的障害者らが共同生活を送るグループホーム。これまで県の整備助成は国庫補助の県負担分にとどまったが、16年度は3億4400万円を新規計上した。国の採択から漏れた事業者にも、独自財源で支援を行き渡らせる。
 県は東日本大震災や親の高齢化で17年度までに600人分、100カ所の需要が生まれると試算。「従来の整備ペースを上回る、容易ではない目標」(県障害福祉課)の達成に向け「福祉シフト」を鮮明にした。
 「利用者の安全のため物件整備には多くの改修費が必要だ」。栗原市で四つのグループホームを運営する栗原秀峰会(栗原市)の二階堂明彦部長が説明する。
 4カ所では軽〜重度の障害者計35人が共同生活を送る。4月、一迫地区に5カ所目を新築し、11人を迎え入れる。二階堂部長は「ニーズは確実に増える。行政には、施設が地域に溶け込む上でも力を貸してほしい」と求める。
 障害者のグループホームは県内では7割が知的障害者向け。県は今後、精神障害者グループホームを増やし、地域移行を促す。
 精神障害者20人が入所する「だんでらいおん」(仙台市太白区)を運営するNPO法人の高橋善彦理事長は「精神障害者を雇用する企業はまだまだ少ない。社会参画まで見通した政策こそ重要だ」と指摘する。

<弱者対策を強調>
 県の第4期障害福祉計画(15〜17年度)は、障害者の緊急受け入れ機能を持つ地域生活支援拠点を7圏域に最低一つずつ設けることをうたうが、実現例はゼロ。整備に向け、新規で2億300万円を盛り込んだ。
 福祉関連のソフト事業では子どもの貧困対策(1600万円)や婚活支援(1420万円)にも着手。震災遺児支援のための「みやぎこども育英基金」の使途拡大に踏み切り、8市町で始まる「みやぎ子どもの心のケアハウス」運営に1億円を充てる。
 村井知事は9日の予算案発表で「震災復興でハードを最優先したため行き届かなかった弱者対策にアクセルを踏む」と強調した。
 15年11月で3期目を折り返した村井知事の「4期目以降の布石」と受け止める関係者も少なくない。代名詞の「富県戦略」と同等以上の本気度が試される。


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2016年02月23日火曜日

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