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<点検復興創生>創造的事業と両立挑む

県が復興支援道路に位置付け、建設を進めるみやぎ県北高速幹線道路=登米市の三陸道登米インターチェンジ付近

◎16年度宮城県予算案から(下)新たな地元負担

 ダンプカーが行き来し、ショベルカーが慌ただしく土をならす。登米市中田町の三陸自動車道登米インターチェンジ付近で、県が2020年度全線開通を目指す「みやぎ県北高速幹線道路」(全長24キロ)の建設が進む。

<建設遅れ不安も>
 県は東日本大震災後、1995年着工の県北高速を沿岸と内陸を結ぶ復興支援道路と位置付けた。集中復興期間(11〜15年度)は全額国費で97億4000万円をつぎ込んだが、15年度末の執行率は事業費ベースで3割にとどまる。
 16年度は、復興事業に地元負担が生じる復興・創生期間(〜20年度)の初年度。県は16年度の事業費32億9600万円のうち7200万円を負担する。地元からは「負担が建設の遅れにつながる」との不安も漏れるが、県土木部は「問題ない。事業は計画通り進める」と説明する。
 県北高速分をはじめ、16年度に新たに生じる地元負担は、ハード整備を中心に30事業計18億円。道路整備4億円、防潮堤建設5億円などで、橋の耐震化や漁港整備も自己負担が増える。
 県は20年度までに見込まれる負担50億円を、ほぼ県債で充当する計画。16年度末の県債残高見込みの1兆6000億円と比べると少額だが、「県の借金に変わりはない」と県幹部。財政運営への影響を危惧する。
 仮に20年度で事業が完了しなかった場合、その後も同じ負担割合で事業が継続できるかは不透明だ。20年の東京五輪需要で、被災地から資材や人手が流出するとの懸念も庁内に漂う。

<民間支援手厚く>
 復興事業に新たな地元負担が発生するというステージに立ちながら、村井嘉浩知事は自ら掲げた「創造的復興」の完遂に向かってまい進する。
 東北第1号の商用水素ステーション整備費用の一部として3億8000万円を補助。7月に完全民営化される仙台空港の活性化には1億円を拠出。東北医科薬科大(仙台市青葉区)の医学生向け修学資金の原資と新キャンパス整備補助には30億円を充てた。
 いずれも支援の直接の対象は民間だ。初当選した05年知事選当時から、民間活力の導入に力を入れる村井流が色濃くにじむ。
 村井知事は9日の予算案発表で「まいた種が花を咲かせ、実がなる時期になった」と語った。厳しい財政運営と目玉プロジェクトの両立という難題に挑む。(県政取材班)


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2016年02月24日水曜日

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