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<再生の針路>石巻/自立支援 早急に対応

市内の仮設住宅には住まいの再建方法を決めかねている人がいる一方で、集約の計画も進む

◎震災5年 被災地の首長に聞く(2)亀山紘市長

 −復興の進展状況をどう見るか。
 「本年度は新市街地のまちびらきやJR仙石線の全線復旧などがあり、復興を実感できた。一方で、2011年12月に策定した復興基本計画の目標からすれば、防潮堤や漁港、高盛り土道路などの整備は目標年度から少なくとも1、2年遅れている。16、17年度が正念場だ」

<仮設集約 丁寧に>
 −いまだに約9000人が仮設住宅で暮らす。
 「住まいの再建が進まないと復興が進んだとはいえない。本年度末までに完成する災害公営住宅は2452戸で目標の4500戸の54%だが、新年度末には80%を超す見込みだ」

 −最大の課題は。
 「仮設住宅に入居する自立困難な方々の対策だ。調査では、1117世帯が住まいの再建方法を決めかねている。高齢者や生活困難者が多い。支援策として3月には自立再建プログラムを作り、早急に対応する」

 −入居率30%以下の仮設住宅団地には集約の計画もある。
 「学校のグラウンドに仮設住宅があって運動がままならない所や、地権者に返還を求められている所を優先する。集約する拠点の団地を決め、移転してもらう方針だ。入居者の心身に負担を掛けるため、理解を得ながら丁寧に進める」

 −15年国勢調査で市の人口は14万7236。前回10年より8.5%減った。離半島部ではさらに深刻だ。
 「11年2月とことし1月の人口を比較すると、雄勝は46%、牡鹿は35%、北上は31%の減少。住民が戻るには住宅はもちろん、総合支所や観光施設、消防署などの施設を集約し、拠点をつくることが必要だ」
 「雄勝では、9.7メートルの防潮堤の高さに反対意見が出て工事が進んでいない。拠点には8.7メートル盛り土をして商業施設などをつくり、さらに高台に住宅を建設する。計画の見直しは難しいが、反対の人に丁寧に説明しながら早く整備し、人を戻したい」

<販路海外展開も>
 −再建した石巻魚市場が昨夏、全面運用を始めた。
 「魚市場の機能を生かすには、原材料となる魚を確保するための漁船誘致が重要。市場には冷凍カツオのベルトコンベヤーと選別機があり、カツオの一本釣り船の誘致に取り組む。国内市場の縮小に伴い、販路の海外展開も図る」
 −南浜地区に整備される復興祈念公園への思いは。
 「震災の追悼と伝承の役割があり、伝承のための施設整備を国、県に対応してほしい。津波や自然環境を学んだり、子どもたちがスポーツして遊んだりする機能も持たせたい」(聞き手は石巻総局・高橋公彦)


2016年02月25日木曜日

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