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<原発事故>炉心溶融 判定基準見過ごす

小型の無人飛行機が撮影した東京電力福島第1原発。左から4号機、3号機、2号機、1号機=2011年3月20日(エアフォートサービス提供)

 東京電力は24日、福島第1原発事故の状況をめぐり、核燃料が溶け落ちる「炉心溶融(メルトダウン)」が起きていることを事故直後に公表できたにもかかわらず、過小に誤った判断をしていたと発表した。東電は「判定する根拠がなかった」と説明してきたが、炉心溶融を規定するマニュアルが社内に存在していた。
 原発事故では1〜3号機で炉心溶融が起きた。東電は事故から2カ月後の2011年5月になって3基の炉心溶融を正式に公表。それまでは、より軽微な「炉心損傷」と説明していた。
 原発事故を検証するため、新潟県の技術委員会が15年2月の会合で、公表遅れの経緯を明らかにするよう求めていた。
 同社の調査で今月、当時の事故対応マニュアルに炉心溶融の判定基準が規定されていることが判明。マニュアルには、炉心損傷割合が5%を超えれば、炉心溶融と判定することが明記されていた。
 東電によると、11年3月14日午前5時すぎ、3号機の原子炉格納容器内の放射線監視装置が回復し、炉心損傷割合が約30%に達していることを把握した。1、2号機も5%を超えていることを確認。基準に従えば、この時点で「炉心溶融」に該当していたものの、地元自治体などへの通報文書に記載はなかった。
 東電は「(早期に)データの持つ意味を解釈し、炉心溶融を公表すべきだった。事故を矮小(わいしょう)化する意図はなく、公表をしないよう外部からの圧力もなかった」と説明。基準を見過ごしていた背景や理由について、第三者を交えた社内調査に乗り出すという。
 福島県の内堀雅雄知事は「炉心溶融という重要な事象が通報されなかったことは極めて遺憾だ。迅速、正確な通報が徹底されるようあらためて強く求めたい」とのコメントを出した。

[炉心溶融と炉心損傷] 原発が運転を止めても燃料は熱を出し続けるため、水で冷やし続ける必要がある。東京電力福島第1原発事故のように注水が不能になった場合、原子炉圧力容器の水位は下がり続け、やがて燃料が露出、熱くなって溶け始める。この状態が「炉心溶融」で、溶けた燃料は重力によって圧力容器の下部へ落ちていく。「メルトダウン」とも呼ばれる。事故当時、原子力安全・保安院は炉心溶融の前段階として、燃料を覆う被覆管が溶ける状態を「炉心損傷」と定義していた。


2016年02月25日木曜日

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