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<Eパーソン>貯蓄から投資へ誘導

<かとう・たかひろ>中央大卒。80年東邦銀行入行。総合企画部長、常務などを経て13年専務。とうほう証券設立に伴い15年8月から現職。59歳。福島市出身。

◎とうほう証券 加藤容啓社長

 東邦銀行の証券子会社、とうほう証券(福島市)が4月に営業を始める。東北の地銀が証券子会社を設立するのは初めて。低金利が続く中、東邦銀と連携して貯蓄から投資への誘導を目指す。加藤容啓社長に戦略を聞いた。(聞き手は福島総局・横山浩之)

 −設立の狙いは。
 「異なる金融商品の損益を通算できる金融所得課税の一体化や少額投資非課税制度『NISA』が始まり、投資環境が整ってきた。一方、銀行の商品は金利の低下で、高収益を望む顧客の資産運用ニーズに応えるには限界があった」
 「福島県内の個人資産は15兆3000億円規模とみられる。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故を契機に、子や孫への資産継承を真剣に考える人が増えた。9兆円の預貯金に対し、現在の有価証券市場は2兆3000億円しかない。預貯金の一部がシフトすれば相当の規模になる」
 −投資活動をどう根付かせるか。
 「東邦銀の顧客を紹介してもらうのが基本的なビジネスモデル。独立系の証券会社と銀行の中間のような位置付けで、ミドルリスク・ミドルリターンの債券と投資信託が主力商品になる。取引の中でリスクに対する理解が広まれば、福島、東北でも投資への流れができる」
 −東邦銀と連携し、一元的なサービス提供をPRする。
 「福島県には証券会社の店舗は12しかないが、東邦銀は104店のネットワークがある。近隣の店舗に相談をしてもらえれば、都市部以外でも自宅訪問などきめ細かい対応ができるのが強みだ」
 「東邦銀は昨年、中期経営計画で『裾野を広く、山を高く』という目標を掲げた。銀行が顧客を増やし、われわれは顧客の資産運用を通じて業績を積み上げるような役割を担っていく」
 −震災と原発事故から5年を迎える。福島県経済の復興にどう関わるか。
 「震災後、資産を増やして継承したいと考える人が増え、金融商品のニーズは高まっている。さらに、被災した方々の多くは定住先が決まり、資産をどうするか考えていると思う。証券会社の開業によって、要望に応じたさまざまな金融サービスやコンサルティングを提供したい」


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2016年02月27日土曜日


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