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山元ワイン5年ぶり復活 12月初出荷目指す

ワイナリー(右)などが入る6次化センターの完成イメージ
農園内のカフェで販売しているイチゴワイン

 東日本大震災で県内唯一のワイナリーを失った山元町内で、5年ぶりに醸造が復活する。地元の被災農家でつくる農業生産法人「山元いちご農園」が27日、ワイン生産拠点づくりに着手、醸造事業に本格的に乗りだす。12月末の初出荷を目指し、農業の6次産業化による雇用創出と加工品の売り込みを図る。

 同町山寺にある法人の大型栽培ハウス群の脇に木造平屋384平方メートルのワイナリーを建設する。6000リットルのタンクで収穫したイチゴのワインや地元産のリンゴを使ったシードルなどを造る。稼働は10月を予定。年間出荷量5万本分(720ミリリットル)を見込む。
 イチゴ加工場(231平方メートル)と健康食品用に栽培する薬草の乾燥施設(200平方メートル)を併設。各施設を「6次化センター」と総称し、8人分の雇用創出を見込む。事業費は3億円。国の被災地の雇用創出立地補助金などを活用した。
 現地で27日に地鎮祭があり、法人の岩佐隆社長(60)らがくわ入れをした。
 震災前に町内にあったワイナリーは津波で壊滅し、事業主も犠牲になった。地元産ワイン再生に向け、岩佐社長らは2014年秋、県外業者に醸造を委託し、イチゴワインを発売。ことし、自社醸造に切り替えることにした。
 岩佐社長は「山元からワインの灯が消えたままにしたくなかった。安定した雇用創出と被災地の情報発信を図りたい」と意気込む。将来は町特産のイチジクや栽培が再開途上のブドウを使ったワインを手掛けたいという。


2016年02月28日日曜日


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