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<再生の針路>多賀城/生活不安解消へ 支援

菊地健次郎市長
完成した市内最大規模の鶴ケ谷地区災害公営住宅(274戸)。3月に入居が始まる

◎震災5年 被災地の首長に聞く(6)菊地健次郎市長

 −東日本大震災からの復興の進展状況は。
 「災害公営住宅は、全532戸のうち2015年度末までに482戸が完成し、計画数の90%に到達する。残る宮内地区災害公営住宅の50戸も、ことし末までに完成する。宮内地区の復興土地区画整理事業は、昨年末までに65%の工事が終了し、一部では移転新築地区が始まっている」

<企業進出は順調>
 −被災者の暮らしの復興はどうか。
 「被災者約6000世帯を対象にしたアンケートでは、約1割が収入と預貯金の減少に不安を抱いていた。喫緊の課題だった住宅再建から、生活再建(収入確保)へとステージが確実に変化している。今後は、そうした被災者に向き合うマンツーマンの生活再建支援が必要だと認識している」

 −防災・減災対策はどう進んでいるか。
 「防災協定締結団体は、震災前の40団体から82団体へと大きく増えた。津波避難ビルの指定も、12カ所から27カ所になった。県内沿岸自治体では最も多い」
 「震災後、毎年開催している市の総合防災訓練は、地域や参加団体に自分たちの実情に合ったものにしてもらうよう努めている。要支援者の安否確認など、ほかの先進事例を見ながら訓練を行っている」

 −産業振興はどうか。
 「市の防災拠点と産業振興機能を備え持つ八幡一本柳地区の津波復興拠点は、整備事業の65%が完了し、企業進出も順調だ。工場用地の77%が埋まった。当初想定していた300人の雇用増は確保できる見通しとなった。仙台港近くの従来の工業地帯でも、新たな進出の話が出始めている」
 「復興のシンボルとして位置付けたJR仙石線多賀城駅前の整備は、市立図書館、書店を併設する再開発ビルのA棟と、子育てサポートセンター、保育所などが併設するB棟が完成し、『東北随一の文化交流拠点』として3月にオープンする運びになった」

<職員の確保必須>
 −最大の課題は。
 「友好都市などから応援職員の派遣を受けているが、震災から5年を迎え、15年度での派遣打ち切りが多く、技術系職員不足が顕著だ。16年度は現段階で必要人数23人に対して8人しか確保できていない。定年退職者の再任用などでしのぐ予定だが、限界がある」
 「残りの5年で全ての事業を仕上げなければならない。大規模な下水道復旧事業が控えるほか、震災後に市内各地で汚水が噴出した仙塩浄化センターの問題もある。少なくともあと2年は、県を通じてマンパワーの支援をお願いしたい」(聞き手は多賀城支局・佐藤素子)


2016年02月29日月曜日

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