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<渡波赤貝>再起へ快調 手応え会心

船上にマンガンを引き上げ、アカガイを選別する杉山さん
発送作業で一つ一つアカガイを包装する組合員

 東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県石巻市渡波地区の生産者が、アカガイの特産化に再起を懸けている。漁場となる海底に堆積したがれきを3年以上かけて撤去し、昨シーズンから操業を開始。資源量は順調に回復しつつあり、復興への手応えを感じ始めている。
 アカガイの漁期は9月から6月まで。「マンガン」と呼ばれる鉄の爪が付いた籠を海底に投入して1時間ほど引き、アカガイをかき上げる。所属漁船は7隻で、うち4隻は親子がペアを組んで水揚げ作業に当たる。
 第8海幸丸(8.5トン)の杉山昭博さん(55)は「再出発から2シーズン目に入り、大ぶりな貝も増えているようだ」と話す。長男周平さん(24)との操業で漁獲するのは1日当たり10キロほど。殻長7センチ以下は選別して再び海に戻すなど、資源管理にも気を配る。
 組合では震災後、「渡波赤貝」の名称で産地ブランド化に着手。8センチを超える大きなサイズはクッション材で包んで発送するなど、一手間かけた差別化で品質のPRにも力を注ぐ。
 2シーズン目の取引価格が、大きなサイズで約2割上向くなど、震災前の水準に近づいてきた。特産化を支援する県は3月11日までの1カ月間、仙台市内の飲食店計15店で渡波赤貝の特別メニューを提供するフェアを初めて企画した。
 アカガイは身が厚くなってうま味が増す冬から春にかけてが旬とされる。渡波漁船漁協の雁部宏充組合長(71)は「身の締まりや色みの良さなどが持ち味。宮城のアカガイと言えば名取市閖上が有名だが、いずれは肩を並べるような産地を目指したい」と意気込む。


2016年02月29日月曜日

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