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<再生の針路>名取/閖上に新たな活気を

佐々木一十郎市長

◎震災5年 被災地の首長に聞く(7)佐々木一十郎市長

 −現地再建を目指す閖上地区の復興の現状は。
 「鋭意取り組んできた土地区画整理事業地内のかさ上げは約半分の造成が終わった。現在第1期の災害公営住宅として一戸建てを建設中で、今後は集合住宅の建設に入る。閖上漁港前では水産加工団地を整備しており、今春にも一部操業が始まる予定だ」

<情報提供を反省>
 −当初の想定と比べた進捗(しんちょく)度は。
 「1年ぐらいは余計に時間を食ってしまった。正直こんなに時間がかかるとは思わなかった。一日も早い復興を目指しただけに悔しい思いもある。津波で何もかもなくなったまちを現地で再建する計画だから、ある意味仕方ない部分もある。再び同じ規模の津波が来ても命を落とすことがないよう、現時点で想定し得るハード対策は取っている」
 「住民の意向の取り方が下手だとか、合意形成がなってないとか批判も受けた。これは反省だが、行政の情報提供の仕方があまり上手ではなかった。もっと市民に分かりやすく計画を提示できれば良かった。復興後のまちの姿を視覚化して知らせるような方法があれば、住民の理解がもっと早く進んだのではないか」

 −区画整理事業は2018年3月完了のスケジュールだ。変わっていないか。
 「若干延びるかもしれないが、なるべく遅れを来さないようにする」

 −震災前は約5700人が住むまちだった。何人が戻るとみているか。
 「推計人口は2076だ。ただ、買い上げた土地で使っていない土地もある。今はカウントしていないが、将来新たな住民が加わる可能性はある。内陸に転出した方々の中にも、まちが復興すれば戻ってくる人がいるかもしれない」

 −若い世代を呼び込む工夫も必要だ。
 「小中一貫校が18年春に開校する。具体的な検討はこれからだが、英語教育や防災教育、体験教育などかなりユニークなカリキュラムができるだろう。名取の中でも先進的な教育のモデル校のような位置付けにしていきたい」

<地区の特性活用>
 −にぎわいを創出するための戦略をどう描く。
 「もともと閖上は夏も冬も過ごしやすく、海辺ならではの景観も魅力的だった。水産加工団地ができれば雇用を生み出せるし、職住近接のまちになる。仙台港、仙台空港の産業ゾーンの中にある優位性を生かして他の産業も誘致したい」
 「時間がかかった分、震災前はなかった計画を織り込むことができた。昔のにぎわいをそのまま取り戻すことは難しいが、今の時代に合った新たな展開をしていけると考えている」(聞き手は岩沼支局・成田浩二)

土地区画整理事業が進む名取市閖上地区。約32ヘクタールを海抜約5メートルにかさ上げする

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2016年03月01日火曜日


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