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<梨田監督E心伝心>オコエは開幕1軍も

オコエ(右)に打撃指導する東北楽天・梨田監督=2月2日、沖縄・久米島

 東北楽天の梨田昌孝監督が、チームの時々のテーマについてつづる新コラム「E心伝心」を掲載します。

◎新人の成長

 日本ハムの監督時代、2008年に大阪桐蔭高から中田翔外野手、11年に早大から斎藤佑樹投手という話題の新人を迎え入れた。大物新人選手の育成は、今のチームに必要な選手か、将来的に出てきてほしい選手かをはっきりさせなくてはいけない。
 中田は後者になる。ほぼ打撃だけが売りだったが、変化球打ちに課題があった。外野の争いが激しく、1軍で出られそうもなかった。2年目の途中くらいまで、北海道から離れた千葉の2軍で場数を踏ませた。監督としては「なぜ1軍で使ってくれないんだ」と、本人に反骨心を持ってもらう狙いもあった。その気概が今の中田を支える部分になっているとも思う。

 オコエ瑠偉外野手(東京・関東第一高)は前者。中田とは違い、いろいろな面を持っている。守れる、走れる、周囲を盛り上げる「お声」も出る。課題の打撃は、キャンプ初日に見た時は改善に2、3年かかるかと思うほどだった。それがコーチの指導にしっかり聞く耳を持って取り組んで、たった1カ月で想像を大きく上回るほどの成長を遂げてくれた。変化球だけでなく、球界屈指の速球派の藤浪晋太郎投手(阪神)の真っすぐを打てるようにもなった。
 開幕1軍に残すか、2軍に落とすかという判断を迫られる。悩むし、決断に勇気がいる。ただ、オコエは1軍の投手にもしっかり対応している。2軍ならより多くの打席には立たせられるが、投手のレベルが下がる。やっぱり、1軍の投手相手にどれだけの成長を見せてくれるかを見てみたい。現時点で多くの打点を重ねるなど結果を残している(練習試合など10試合で25打数6安打5打点)から、すぐに落とすべきではない。何より他の選手に刺激を与える存在になっている。もうチームに必要な選手になったかなと思う。

 注目されればマスコミも多くなるが、対応も素晴らしいようだ。日本野球機構(NPB)の新人研修では、話しぶりで講師の元アナウンサーをうならせた。斎藤は大卒だから当然しっかりしていたが、オコエは高卒。現代っ子気質なのか、人間的にも面白い雰囲気があり、今後の飛躍を大いに期待している。

 ▽梨田昌孝(なしだ・まさたか)72年に島根・浜田高からドラフト2位で近鉄に入団し、強肩捕手として活躍。88年に現役を引退した。近鉄のコーチ、2軍監督を経て00年に監督に就任。01年にリーグ優勝を果たした。08年には日本ハムの監督に就任し、09年にリーグ制覇した。11年に退任し、今季から東北楽天の指揮を執る。島根県浜田市出身。62歳。


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2016年03月01日火曜日


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