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津波犠牲の町民の「生きた証」事業継続へ

 岩手県大槌町は29日、関連死を含む東日本大震災の町民犠牲者1285人全員の人柄や被災時の状況を記録する「生きた証(あかし)プロジェクト」について、体制を見直した上で新年度以降も継続する方針を示した。岩手大との業務委託契約を本年度末で終了し、職員が遺族への聞き取りを補助するなど町の関与を強める。
 縁故や意向確認の文書、電話を通じて1019人分の遺族に接触したが、調査を終えた犠牲者は641人と約半数にとどまる。目標としていたことし3月11日までの完了は不可能で、成果不足と判断した。
 2014、15年度の事業費計約5900万円のうち、余っている約900万円を新年度に繰り越し、町民の調査員が引き続き聞き取りを続ける。聴取記録を文章化して冊子にまとめる作業も並行して進める。
 町は昨年10〜11月に実施した復興事業の見直しで、調査の難航を理由にプロジェクトを当初計画通り本年度で終了すると判定していた。
 29日の実行委員会では、遺族と信頼関係を築いている岩手大の専門スタッフが抜けることへの不安の声が上がった。
 高橋英悟委員長(吉祥寺住職)は「プロジェクトは町民の心に寄り添う大切な事業。今後も岩手大のスタッフの協力が得られる方法がないか、町と話し合いたい」と話した。


2016年03月01日火曜日


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