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<震災5年>首長「復興格差感じる」66%

 東日本大震災からの復興の進度について、ほかの被災自治体との格差を感じる市町村長が岩手、宮城、福島3県で28人に上り、被災42市町村の66.7%を占めることが2日、河北新報社が震災5年を前に行った首長アンケートで分かった。岩手は「感じない」が上回ったが、宮城、福島は「感じる」が多数。福島は「感じる」が86.7%(13人)に達し、東京電力福島第1原発事故が再生に深く影を落とし続ける実態をうかがわせた。

 アンケートは被災規模が大きかった自治体の首長(岩手12人、宮城、福島各15人)を対象に行った。復興の進度に格差を感じるかどうかを尋ねた設問の回答結果はグラフの通り。
 宮城では10人が「感じる」と回答。奥山恵美子仙台市長は要因として自治体の規模や被災程度との関係を挙げ「自分のところが遅れているとは考えていないが、格差はある」と答えた。
 福島の首長は原発事故の影響を指摘した。馬場有浪江町長は「原発事故による全町避難継続中」、伊沢史朗双葉町長は「町内の96%が帰還困難区域で多くの制約がある」と回答した。
 福島では、除染の遅れやめどが立たない住民帰還など、復興まちづくりの前提となる課題が山積しており、格差の実感につながっているとみられる。
 28人にどの分野で格差を感じるかを複数回答で尋ねたところ、「災害公営住宅や集団移転」が20.0%で最も多かった。次いで「インフラ整備」(18.3%)「人口減少」(13.3%)「原発事故対応」(11.7%)「農漁業・商工業再興」(同)の順だった。
 各自治体で特に復興が遅れていると思う分野を聞いた設問(複数回答)では、「防潮堤」との回答が15.8%を占めて最多。次いで「道路・鉄道」と「農・水産業」がともに13.7%で並び、「商工業」(12.6%)「住宅再建・宅地造成」(11.6%)が続いた。
 国の集中復興期間終了で5年間の復興・創生期間が新年度に始まり、復興事業に地元負担が生じることについては、「復興の遅れや格差拡大につながる」(岩手県普代村)など懸念の声が上がった。
 復興事業では人手不足もあって現場の負担が重くなっており「制度の弾力的な運用を要望したい」(名取市)といった国への注文が相次いだ。復興事業費の使い勝手向上へ使途の制約緩和を求める意見があった。

[アンケートの方法] 東日本大震災で津波被害を受けたり、福島第1原発事故で避難区域が設定されたりした岩手、宮城、福島3県の42市町村長を対象に実施。1月中旬に調査票を郵送し、2月中旬までに全員から回答を得た。


2016年03月03日木曜日


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