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<再生の針路>女川/「活動人口」増目指す

多くの買い物客らでにぎわう女川町中心部。2015年はテナント型商店街「シーパルピア女川」などが相次いでオープンした=15年12月23日
須田善明町長

◎震災5年 被災地の首長に聞く(10)須田善明町長

 −復興の進捗(しんちょく)状況は。
 「良く言って5合目。町の中心部ににぎわいの核ができ、入り口にようやく立った。これから一気に形になっていく。宅地供給は3月末見込みで36%にとどまるが、2016年度から供給ペースは一気に上がる。秋には水産業の拠点である女川魚市場で、中央荷さばき場と管理棟の運用が始まる」
 「仮設商店街『きぼうのかね商店街』は17年9月には閉鎖し、場所を県に返す必要がある。商店街には再建予定の土地がまだない人や、将来を決めかねている人もいる。閉鎖後の展開をサポートしていく」

 −仮設住宅の集約は。
 「入居率などの数字に基づく自動的な集約は考えていない。入居者の移転時期や防犯体制、地区役員らとの相談などを踏まえて進める。利便性を考えると、最終的な集約先は町民野球場仮設住宅や多目的運動場仮設住宅を想定している」

<能動的住民望む>
 −直面する課題は。
 「時間と質をどう均衡させていくのかだ。質の確保を意識しながら、スピードを上げたい」
 「住民の間で『すてきな町になった』『女川っぽさがなくなった』などと思いに差が出てきた。まちづくりでは、年代やカテゴリーを問わず人々がつながっていることが私たちの強みだが、その人たちだけの町をつくるのではない。能動的にまちづくりに関わる人がどんどん出てきてほしい」

<「生活実学」導入>
 −震災から5年近くを経て浮かんできた課題は。
 「全国的に人口が減少する中で、震災後、その影響が如実に現れたのが女川。人が減っても持続可能な町をつくる必要がある。町内外の人々がさまざまな活動を展開できる場をつくり、町に関わる『活動人口』を増やす。一足飛びに人口が増えるわけがない」
 「今後、年配者の生きがいづくりや活動を活発にするため、拠点となる『大人の部室(仮称)』を中心部に設ける。活動する姿が町にあふれることが、にぎわいや経済活動につながる」
 「子どもの教育では、生きる力を育む『生活実学』を段階的に導入する。お金を稼いだり、借りたり。生きる上で必ず向き合う事柄が対象。例えば、物を作って売る体験のようなことから始めてみたい」

 −16年度に重視する事業は。
 「県と同レベルの不妊治療補助を行う。1回目の上限は30万円。この町で子どもを生み育んでほしい。町内に気持ちのいい空間が広がるよう、新しい団地ののり面の緑化やシンボルツリー作りなどの支援にも力を入れる」
(聞き手は石巻総局・水野良将)


2016年03月04日金曜日

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