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<福島第1>3号機上部 依然がれき

水素爆発のがれきが残る福島第1原発3号機の建屋上部。作業員の姿が見えた

 2013年10月、東京電力福島第1原発を初めて取材した際は、全面マスクが後頭部を締め付け、気持ちの悪さを感じながら現場を歩いた。原発事故から5年が近づいた2月16日の今回は、鼻と口だけを覆う半面マスクの着用で済んだ。
 山側のタンクエリアでは、見覚えのある箱型のタンクを作業員が解体していた。汚染水タンク回りのせきにたまった汚染雨水を一時保管していた「ノッチタンク」だ。
 13年秋は大雨のたび、せきから汚染雨水があふれ出すトラブルが続出。東電は雨水を別タンクに移して放射性物質濃度を測る手順を省き、せきから直接排出するなど場当たり的な対応を繰り返した。
 今はせきをかさ上げし、雨よけのカバーが設置された。雨水の処理設備も完備し、あふれ出す心配はなくなった。
 海側に続く坂を下る。以前は草が茂っていた斜面が灰色に染まっている。雨水が地中に染み込み、汚染水が発生しないようモルタルを吹き付ける「フェーシング」のためだ。岸壁には、汚染水の海洋流出を防ぐ「海側遮水壁」の鋼管が整然と並ぶ。
 原子炉建屋を見下ろす高台に上った。3号機の上部は水素爆発で吹き飛んだがれきが今もむき出しで、事故のすさまじさを物語る。建屋北側の空間放射線量は毎時445マイクロシーベルトを計測。丸5日働けば、作業員の年間被ばく上限の50ミリシーベルトに達する高線量だ。
 1〜4号機をぐるりと取り囲むように設置された配管は「凍土遮水壁」だ。地下30メートルの氷の壁を造り、建屋への地下水流入を防ぐ。1年前に別の取材で入ったときに、せわしなく動いていた作業員はほとんど見えなかった。2月上旬に工事は終わり、原子力規制委員会の認可を待つのみになった。(福島総局・桐生薫子、写真部・川村公俊)


2016年03月04日金曜日


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