福島のニュース

<原発事故>福島・三春の子 ヨウ素欠乏ゼロ

 震災復興支援放射能対策研究所(福島県平田村)は3日、同県三春町の小中学生を対象にした調査で、ヨウ素欠乏状態と診断された児童、生徒は皆無だったと発表した。ヨウ素濃度の高さが、東京電力福島第1原発事故で放出された放射性ヨウ素の体内への取り込みを防ぎ、甲状腺被ばくを減らす方向で作用したことが推測されるという。
 研究所は2013年度から、甲状腺検査と同時に、尿に含まれるヨウ素濃度を調査。15年度までに受検した延べ2663人のうち、ヨウ素濃度が最も低かったのは1リットル当たり25.0マイクログラムだった女児で、ヨウ素欠乏状態とされる20マイクログラム以下は1人もいなかった。
 放射性ヨウ素は体内に入ると甲状腺にたまり、がんを引き起こす恐れがある。甲状腺のヨウ素が不足すると、放射性ヨウ素を取り込みやすくなるとされる。チェルノブイリ原発事故では周辺の子どもたちに甲状腺がんが多発した。
 福島の事故では放射性ヨウ素の放出量が少なかった上、海草類を多く食べる食生活の面からも放射性ヨウ素を取り込む余地が少なかったとみられてきた。福島の子どもたちを対象にしたヨウ素濃度の調査は初めてで、ヨウ素摂取量の多さが数値的にも裏付けられた。
 結果を公表した研究所の坪倉正治医師は「福島第1原発事故による子どもの甲状腺被ばくを心配する必要はないというデータの一つになる」と説明した。
 研究所によると、延べ3447人を対象とした甲状腺検査で、がんと診断された子どもはいなかった。


2016年03月04日金曜日


先頭に戻る