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<福島第1>汚染水対策3本柱 一定の進展

 3基の原子炉が炉心溶融(メルトダウン)する未曽有の事態に陥った東京電力福島第1原発事故から5年。汚染水対策は一定の進展を見せた一方、1500体以上の使用済み燃料がいまだに建屋に残り、最難関の溶融燃料取り出しも想定通りに進むかは不透明だ。

 廃炉に向け大きな障害となっていた汚染水問題は、事故5年を前に、ようやく解決の道筋が見えてきた。
 高濃度の放射能汚染水は主に、敷地山側から海側に流れる地下水が建屋に流れ込み、溶け落ちた燃料に触れた汚染水と混じり発生する。国と東電は、(1)汚染源を取り除く(2)汚染源に近づけない(3)汚染水を漏らさない−の3方針を掲げ、対策を進めてきた。
 (1)については、タンクに保管している汚染水の1次浄化処理が2015年5月に完了。7月には、配管などが通る地下道「トレンチ」に残っていた汚染水の抜き取りも終わった。
 (2)に関しては、14年5月に稼働した山側の井戸からくみ上げて海洋放出する「地下水バイパス」に加え、建屋周辺の井戸からくみ上げて浄化後に海に流す「サブドレン」が15年9月に始まった。
 サブドレンの運用開始に伴い、汚染水の海への漏えいを防ぐ「海側遮水壁」の閉合が可能となり、港湾内の放射性物質濃度は低下傾向を示している。水漏れが相次いでいた組み立て型のフランジタンクの解体も進んでおり、(3)の対策はおおむね完了した。
 (2)で残る建屋周囲の地盤を凍らせて地下水流入を減らす「凍土遮水壁」はことし2月に工事が完了。原子力規制庁の認可後、早ければ3月中に凍結が始まる。氷の壁が完成すれば、1日550トンに上っていた汚染水の発生量は150トン以下に減少する見通しだ。


2016年03月04日金曜日

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