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<福島第1>避難区域解除に課題 慎重姿勢も

震災から4年半が過ぎて解体が始まったJR富岡駅前商店街と、かつてがれきで埋め尽くされたメーン道路。一帯は復興拠点に生まれ変わる=2015年12月9日

 東京電力福島第1原発事故で、国は避難指示解除に向けた環境整備を急ぎ、除染や被災家屋の解体を進める。一方、地震・津波と原発事故により、今なお9万8460人が長引く避難生活を強いられている。古里再生と同時に、避難先での生活再建など課題は山積している。

 原発事故で設定された福島県の避難区域について、国は2017年3月までに帰還困難区域を除く「居住制限区域」と「避難指示解除準備区域」を解除する方針だ。今春以降、住民帰還の協議が本格化する。
 避難指示が出ているのは現在9市町村。このうち南相馬市、川俣町山木屋地区、葛尾村、川内村の荻・貝ノ坂地区の4市町村で解除に向けた準備宿泊が実施されている。それぞれ課題を抱えており、この春に国が避難を解くかは不透明だ。
 南相馬市では除染効果の確認の必要性から、桜井勝延市長が5月以降にずれ込む可能性を示唆。川俣町では町長の病気療養で住民懇談会が開けず、解除は6月以降になる。葛尾村でも除染や営農環境などに課題が残るとして、議会が慎重な帰村判断を求めている。
 来春には飯舘村など3町村が控える。同村は17年3月までに帰村を始めたい考え。宅地除染は昨年終了し、来春の学校再開を目指す。
 富岡町は早ければ17年4月の帰還開始が目標。町内は除染から被災建物の解体へ徐々に移りつつあり、復興拠点整備などが進む。
 浪江町は17年3月以降の帰町を掲げるが、前提となる下水道復旧が間に合わない見通し。商業施設などの開設を進める。
 帰還困難区域が町の大半を占める大熊、双葉両町の状況は厳しい。大熊町は18年度内を目標に大川原地区を居住できるように整備する。双葉町は帰還のめどが立っていない。
 これまで国は田村市都路地区東部、川内村東部、楢葉町で避難指示を解除した。楢葉町は2月現在で住民の6%(440人)が町に戻っている。


2016年03月04日金曜日


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