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<外国人誘客のヒント>外資の参入 地元が理解

バス停に掲げられている英語の案内板。街では通常の光景だ=北海道倶知安町ひらふ地区

 国内有数のスキーリゾート地の北海道ニセコ地域は、訪日外国人旅行者の受け入れ先進地として知られ、海外からの集客力は東北6県を上回る。今月26日の北海道新幹線開業を控えた2月、現地を訪れ、東北の外国人誘客に向けたヒントを探った。(報道部・山口達也)

◎先進地ニセコから(上)街づくり

<富裕層に人気>
 飲食店やスポーツ用品店、交番、バス停など、あちこちで英語の案内板が目につく。街の通りは、スノーボードを持った外国人の姿が絶えない。
 北海道倶知安(くっちゃん)町ひらふ地区の大型スキー場「グラン・ヒラフ」。ニセコ地域に四つある主要スキー場の中で、最も多くの外国人が集まる。
 周辺には、キッチンやリビングなどを備えたマンション型の宿泊施設「コンドミニアム」が約450棟立ち並ぶ。
 その一つ、マレーシア系「四季ニセコ」は全67室がスイートルーム形態だ。1部屋が広さ90〜170平方メートル、冬季の平均料金は1日約15万円、最高で約55万円になる部屋もある。
 「冬季は主に海外からの旅行者で満室になる」と支配人のダレン・ウイッキングスさん(44)。利用者の大半が海外の富裕層だ。
 ニセコ地域に海外の旅行者が本格的に入ってきたのは、2001年の米同時多発テロ以降といわれる。テロへの警戒から旅行先に日本を選ぶ人が増加した。
 加えてパウダースノーを求めてオーストラリアのスキー客が増えた。今でも国別の半数近くを占める。その後、香港やシンガポールからの富裕層に拡大した。

<利便性高める>
 地元側は、00年代半ばに二つの民間支援組織を設立し、誘客の環境整備に取り組んだ。主要4スキー場の共通リフト券の発行など利便性を高め、官民一体で海外プロモーションを積極的に展開した。
 英語の案内板をはじめ外国人が滞在しやすい街になるにつれ、海外資本のホテルが次々と参入。倶知安で冬季に働く外国人登録者は1000人を超え、飲食店などで外国人旅行者に対応している。
 海外からの評価は高い。13年の英国の富裕層が選ぶ高級リゾート地調査で、ニセコはモルディブやプーケット(タイ)などに続くアジア4位(日本1位)に選ばれた。
 民間組織「ニセコ・プロモーション・ボード」の大川富雄事務局長(59)は「地元の人たちも頭から海外資本などの受け入れを拒否せず、きちんと話し合って街づくりに関わったことが大きい」と指摘する。
 海外の投資意欲は現在も旺盛で、倶知安には19年、米国系の高級ホテル「パークハイアット」が開業する。その1年後にはニセコにマレーシア資本による「リッツ・カールトンリザーブ」がオープンする予定だ。

[ニセコ地域]北海道ニセコ町(人口約5000)と倶知安町(約1万5000)の2町を指す。2014年度の延べ外国人宿泊者数はニセコ約15万人、倶知安約30万人。2町を合わせると、14年の東北6県の約35万人を上回る。


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2016年03月04日金曜日


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