宮城のニュース

<再生の針路>松島/観光復興 早さが勝負

JR松島海岸駅周辺で震災復旧工事が進む。県内を代表する観光地だけに工事の迅速化が課題だ
桜井公一町長

◎震災5年 被災地の首長に聞く(11)桜井公一町長

 −復興関連事業の進行状況は?
 「災害公営住宅は、美映の丘、華園両地区に計画した計52戸分が2015年6月に完成した。ほぼ全世帯が入居しており、被災者の住宅再建はめどが付いた」
 「松島は観光地なので、避難場所の確保は重要だ。災害時には町民1万人、観光客1万人が避難すると想定し、避難施設を14カ所設ける計画を立てた。1月には石田沢地区に整備する施設の安全祈願祭を行った。駐車場に2000人が身を寄せることができる町内最大規模の施設。16年度中には14カ所全てが完成する見通しだ」

 −課題は何か。

<排水対策急務に>
 「海外沿いからの避難路は3地区で計35路線を整備する予定だが、用地買収が難航しているほか、踏切を越える際はJRとの交渉が必要となり、契約ベースで約6割の進捗(しんちょく)率にとどまる。雨水の排水機場の整備はやっと着手したところで、進捗率は4割程度。集中して進める必要がある」

 −現時点の評価は?
 「復興交付金を活用した全体の事業の進捗率は、契約ベースで7割に達している。この5年間、いい方向に進んでいると思う。避難路整備などの遅れている面はあるが、70〜80点は付けられるのではないか」

 −観光復興も重要なテーマになる。

<遺産認定目指す>
 「国宝の瑞巌寺は現在、『平成の大修理』を行っている。工事終了を祝う落慶法要が営まれるのが、18年6月。それまでに町として何ができるのかが、ポイントだと考えている」
 「観光エリアのJR松島海岸駅周辺では、国が国道45号の歩道拡幅、県が広場のかさ上げと防潮堤建設、町が下水整備を進めている。3者が一体となって工事をスピードアップし、瑞巌寺の落慶法要までに復興を遂げた松島の姿を多くの観光客に見せたい」

 −松島を訪れる観光客は震災前の水準に戻っていない。インバウンド(訪日外国人旅行客)対策は?
 「地域の有形、無形の文化財を観光資源として活用する文化庁の『日本遺産』登録に向け、松島も手を挙げている。20年の東京五輪・パラリンピックには多くの客が海外から訪れるだろう。日本遺産に認定されれば、松島を国内外にアピールできる」
 「県と松島湾地域の6市町が広域観光に取り組む『松島“湾”ダーランド』構想を具体的な形にし、行動に移していかないといけない。イベントなどを通じて隣接自治体との連携を深めたいと考えている」(聞き手は塩釜支局・山野公寛)


関連ページ: 宮城 社会 再生の針路

2016年03月05日土曜日


先頭に戻る