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<外国人誘客のヒント>連泊と周辺観光が定着

積丹観光協会が行った観光PR。外国人旅行者に地酒を振る舞い、積丹町の冬の観光を売り込んだ=2月11日、北海道倶知安町ひらふ地区

◎先進地ニセコから(下)拠点化

<地域ぐるみPR>
 北海道後志(しりべし)地域の北端にある積丹町。石狩湾に面し、夏は雄大な自然が望める観光地も、オフシーズンの冬は観光客がまばらになる。
 後志地域で冬の集客が期待できるのは、スキーリゾート地のニセコ、倶知安(くっちゃん)両町と、ニッカウヰスキーをテーマにしたドラマ効果が続く余市町、札幌に近い小樽市などに限られる。
 積丹観光協会は、こうした現状を打開しようと、冬季観光で一人勝ちのニセコに目を付けた。2月11日、倶知安町ひらふ地区で観光PRを実施。外国人スキー客に積丹の地酒を振る舞い、車で約1時間半の積丹訪問を呼び掛けた。
 同協会の担当者は「ニセコには多くの外国人が来ている。波及効果を得るには、指をくわえているだけではだめだ」と強調する。
 地元の倶知安観光協会は、積丹のPR活動に必要な場所を提供するなど協力的だった。後志全体の誘客拡大が町の観光産業にもプラスになるとみて、他の自治体と連携を強める方針だ。
 「外国人はスキー目当てでニセコを訪れるが、常にスキーをしているわけではない」と解説するのは倶知安観光協会の本田哲会長。「基本は午前中だけで、それ以外は札幌や小樽などを巡る人が多い」と話す。
 ニセコの外国人旅行者の約半数を占めるオーストラリア人の平均滞在日数は6日。宿泊環境が充実するニセコに連泊して周辺の観光地を楽しむスタイルが定着している。
 パウダースノーという東京や大阪にはない観光資源を武器に、国内有数のスキーリゾート地となったニセコだが、供給過剰で外国人旅行者を受け入れきれない実態もある。ある関係者は「冬のプロモーションは行っていない」と明かす。

<東北もPR必要>
 仙台市内のホテルで2月1日、オーストラリアの旅行会社関係者を対象にした商談会が開かれた。東北運輸局と東北観光推進機構が企画し、東北のスキー場関係者が売り込んだ。
 東北には岩手県の安比高原や雫石、宮城県の蔵王など雪質の良いスキー場が多い。商談会に参加したケイトリン・コスグレイブさん(29)は「ニセコは宿泊施設が足りない。東北は気候や自然環境も似ており、紹介したい」と話した。
 その上で「英語の地図など外国人旅行者が使えるツールが圧倒的に少ない。ニセコのような長期滞在できる拠点も東北は明確ではない。拠点化やさらなるPRが必要ではないか」と注文を付けた。

[後志地域]札幌と函館の間に位置し、ニセコ、倶知安両町や小樽市、積丹町など20市町村で構成。管内人口は約21万5500人。中心部のニセコへは札幌から車で約2時間、函館から約2時間半。北海道新幹線の札幌延長(2031年予定)では、倶知安と小樽に新駅が置かれる予定。


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2016年03月05日土曜日


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