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<再生の針路>利府/土地の規制緩和必要

高さ2.1メートル、全長747メートルの防潮堤建設が本格化する浜田漁港
鈴木勝雄町長

◎震災5年 被災地の首長に聞く(12)鈴木勝雄町長

 −復興の進展状況は。
 「浜田地区の避難施設と防災備蓄倉庫が完成した。浜田・須賀両地区の避難道路も順調に工事が進む。財源もほぼ確保できる見通しになった。今後、浜田地区の防潮堤、須賀地区の水門整備など大規模工事が本格化する」
 「松島が天然の防波堤の役割を果たしており、防潮堤は高さ2.1メートルで造る。景観が維持され、観光資源の価値を損なわずに済む。二つの避難路ができることで東部と人口の多い西部の相互アクセスが向上する。新たな交流や、まちづくりへの活用が期待できる」
 
 −被災した東部沿岸地域の課題は何か。
<住宅建築に制限>
 「市街化調整区域や国の特別名勝・松島の保護地区に含まれ、住宅の建築に制限がある。新たな住民は移り住めない。浜田・須賀両地区の高齢化と過疎化は深刻だ。現状では膨大な予算を投入して復興事業を進めても過疎化は止まらない」
 「JR仙石線が通り、仙台の通勤圏にある浜田地区は人口増加が見込める。市街化調整区域は、バブルの時代に土地の虫食いを防ぐための施策。町の現状に合わない点がある。復興に向けた土地の有効活用の視点から、規制緩和が必要だ」

 −地域ビジョンをどう描くか。
 「復興のシンボルとして海の駅・道の駅を検討したが、塩釜や松島の観光施設と競合する。私案の段階だが、マリンスポーツの教育施設を考えている。特に浜田地区は松島の内海。穏やかな波を生かし、子どもたちにカヌーやヨットを楽しんでもらう。プレジャーボートの集積地にもしたい」
 「漁業からサービス業への転換を考える時期に来ている。地元が潤う産業の育成が急務だ。近隣市町との連携も可能だろう」

 −町中心部では大規模開発が進む。全体の発展をどう考えているか。
<東西の均衡発展>
 「震災直前に3万4843だった町の人口は、ことし1月末時点で3万6404に増えた。被災した他の沿岸自治体からの転入もある。町内にインターチェンジが四つあり交通の便が良く、子育て支援策の魅力もあってのことだろう」
 「新中道地区の土地区画整理事業で商業施設が建設され、約2000人の雇用が見込まれる。さらなる移住希望に応え、東西の均衡ある発展のためにも、鍵となる規制緩和を求めていきたい」
(聞き手は多賀城支局・佐藤素子)


2016年03月06日日曜日

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