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<民間警察犬>公費で認知症行方不明者の捜索

昨年秋に行われた警察犬審査会。一層の活躍が期待される(秋田県警提供)

 秋田県警が新年度、認知症で行方不明になった高齢者らの捜索に、民間で飼育する警察犬の公費による出動を目指している。日常的な徘徊(はいかい)など事件性が低いと判断される場合、家族が出動経費を負担するケースが少なくない。高齢化が進み、行方不明事案の増加が予想される中、県警は「早く発見できれば命を助けられる」と、事件捜査で磨かれた警察犬の力に期待する。

 警察犬には都道府県警所属の直轄犬と、訓練を受けた民間の犬を指定する嘱託犬の2種類がある。秋田県警に直轄犬はおらず、3月時点で嘱託犬は16頭、現場で犬と共に活動する民間の「指導手」(ハンドラー)は11人いる。
 家族から届け出があり、県警の依頼で不明者捜索に出る場合、指導手には1時間当たり3000円(夜間は同3750円)の手当が支払われる。ただ、発見できなかった場合、多くの指導手が「結果を出せなかったから」と受け取りを辞退し、ボランティアとなっているのが実態という。
 指導手は仕事を休んで出動することが多い。県警鑑識課の高橋正幸次長は「犬の訓練になるからと言ってくれるが、少しでも負担に報いたい」と語る。
 認知症患者らの捜索で警察犬が出動した県内の事例は2013年が8件、14年は7件、15年は20件あった。15年はいずれも発見できなかった。
 一方で過去には実績も挙げている。11年には冬に自宅を出たまま行方不明になった認知症の高齢者の捜索に警察犬が出動。近所の軒下でうずくまっているのを発見し一命を取り留めた。
 愛知県で電車にはねられた認知症患者の家族が、鉄道会社への賠償責任を求められた訴訟の最高裁判決が1日に出たばかり。鉄道会社の請求は棄却されたが、行方不明になった患者の捜索と保護の在り方が社会問題として注目されている。
 県議会定例会(2月議会)で関連予算約36万円を審議中。認められれば4月からスタートする。高橋次長は「通報から時間がたつと、雨や風でにおいが消えることもある。警察犬は万能ではないが、早く見つける大きな力になる」と話す。
 秋田県警によると、東北では山形県警に唯一、直轄犬がおり、事件捜査がなければ出動する。青森県警でも不明者捜索の警察犬予算を確保している。


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2016年03月06日日曜日


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