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<検証変貌するまち>住民総出の事業 計画

◎岩沼 玉浦西地区

 宮城県岩沼市の集団移転先、玉浦西地区の集会所で2月7日、「玉浦西まちづくり住民協議会」の総会があった。公園の草取り、道路の清掃、植樹祭、夏祭り…。配られた資料に、住民総出で取り組む新年度の事業計画が記されていた。
 「まちの魅力を高めるために皆でアイデアを出し合っている。若い人も一緒に楽しめる行事で交流を進めたい」。会長の中川勝義さん(77)が力を込める。
 岩沼市は「復興のトップランナー」と呼ばれる。海岸線から約3キロ内陸の水田を埋め立てて新しい団地を形成した。昨年7月に「まち開き」があり、約1000人が暮らす環境が整った。
 だが、まちづくりは始まったばかり。玉浦西は沿岸部6集落をはじめ、市営住宅や福島県からの避難者が住む「寄り合い所帯」だ。いかにコミュニティーの一体感を生み出すかが問われている。
 「仮設住宅にいたころは壁一つ隔てた暮らしで住民同士の行き来が頻繁だったが、今は遠慮する意識が働くようになった。集会所でお茶会を開いてもなかなか参加しない人がいる」と中川さんは案じる。
 資金面の不安もある。交流行事の経費は基本的に住民の自己負担。集会所の運営・維持費や外灯の電気代も掛かり、常に効率的運営に迫られる。物心両面の支援を受けられたころと状況が違う。足元を確かめながら自立の道を模索する。
 団地内で唯一、住民組織がなかった玉浦西4丁目は本年度中に町内会を設ける。名称は「玉浦笑西(えにし)町内会」。人の縁を育て、笑顔あふれるまちにとの願いを込めた。
 会長に就く会社員岡部格さん(59)は「高齢者が多く、集会の出席者は全体の3、4割程度と少ない。住民自身でまちをつくる意識を育てたい」と話す。
(成田浩二)


2016年03月07日月曜日


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