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<この人このまち>温泉街を包む音楽の力

<あんざい・ただゆき>77年福島市生まれ。農業者大学校卒。同市の安斎果樹園の15代目で、飯坂町商工会青年部長。

 福島市の飯坂温泉街で26日、手作り音楽祭「おと酔いウォーク」が開かれる。地元商工会青年部の有志が始め、ことしで4回目。自らも歌う実行委員長の安斎忠幸さん(38)は「心地よい音色に浸って至福のひとときを」とPRしている。(福島総局・高橋一樹)

◎「飯坂温泉おと酔いウォーク」実行委員長 安斎忠幸さん(38)

 −おと酔いウォークとはどんなイベントですか。
 「飯坂温泉街のカフェやバー、歴史的建造物の旧堀切邸など6カ所を舞台に繰り広げる音楽フェスです。渡辺俊美さん(福島県川内村出身)、桐嶋ノドカさんら全国で活躍するアーティストや、福島に密着して活動する歌い手、バンドなど計35組が参加します」
 「売りは『近さ』と『温泉』です。会場は全て徒歩圏内で、ライブの合間に町並みや足湯も楽しめます。チケット(4000円)は4月末まで使える旅館の入浴券2枚付き。円盤ギョーザなど福島グルメが楽しめるコーナーも設けます」

 −始めたきっかけは。
 「温泉街は2011年に起きた東京電力福島第1原発事故の風評被害にさらされました。生まれ育って愛着のある町から観光客が減り、寂しくなりました。好きな音楽の力で人を呼び込めないかと、地元のライブバー『楽屋』のオーナーに相談したのが始まりです」

 −自らも歌手として出演しているのですね。
 「本業はモモやサクランボなどの果樹農家ですが、小さい頃から歌うことが大好き。約10年前から3年ほど、地元の同級生3人とヒップホップグループを組んでいました。その後は『デフロック ターキン』の名で県内中心にソロ活動し、飯坂温泉のPRソングも歌っています」

 −過去3回イベントを開いてみてどうでしたか。
 「13年の第1回は人集めが大変で、福島の音楽仲間に協力してもらいました。それに地元の方々には『フェスとは何か』を説明するところから始めました」
 「いざ開催すると、普段は見かけない若者が行列を作り、飲食店も大繁盛。徐々に地元の理解が深まりました。また、会場で知り合ったアーティスト同士が他の場所でも共演するなど、福島県全体の音楽シーンを盛り上げるイベントに成長しました」

 −いつまで続けますか。
 「一生やめません。おと酔いは生きがいです。来た人が幸せな一日を過ごし、飯坂にまた来たいと言ってくれるのが一番うれしいですね」


関連ページ: 福島 経済

2016年03月07日月曜日

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