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<再生の針路>亘理/エコタウン推進に力

東北最大級のメガソーラーの誘致が決まった吉田東部地区の被災農地

◎震災5年 被災地の首長に聞く(14)斎藤貞町長

 −復興事業はどこまで進行したか。
 「2015年度末までに事業の7割程度が完了する見込みだ。防災集団移転の分譲宅地と災害公営住宅計677戸分は昨年8月に全て完成し、学校や子育て施設の再建も終了した。イチゴ農家ら104戸が参加する『いちご団地』も13年から栽培を始めている」
 「震災直後のがれき撤去からスムーズに進んだことで、全体のスケジュールが前倒しできた。斎藤邦男前町長が取り組んだ復旧・復興事業を継続してさらに加速化した成果が出た」

<空き宅地をPR>
 −ただ、分譲宅地、災害公営住宅に空きがある。
 「被災者に住み慣れた地域に戻ってもらうことを基本に住宅再建事業を進めてきたが、宅地200区画のうち14区画、災害公営住宅477戸のうち85戸が空いている。災害公営住宅は3月1日から町外も含めた入居者の随時募集を始め、町や県のホームページをなどを使って広くPRしている。今後は宅地も国、県の指導を受けながら町外被災者へも対象を拡大させたい」

 −復興の上で重要視していることは何か。
 「震災前から構想していたエコタウンの推進だ。吉田東部地区の被災農地などを集約した74.7ヘクタールに東北最大級のメガソーラー(大規模太陽光発電施設)を誘致した。町内全世帯で使用する以上の発電量がある。荒浜地区の災害危険区域には、東京のNPO法人がイチゴの捨てる苗などを活用するバイオガス発電の設置を計画している。町内で盛んな農業と合わせて食とエネルギー分野の自給ができれば、まさに創造的な復興になる」

<荒浜 交流拠点に>
 −歴史がある港町の荒浜地区どう再生させるのか。
 「地区全体を交流の拠点に位置付け、にぎわい創出に取り組む。既に農水産物直売所や復興商店街が営業を始め、水産加工会社の誘致も決まった。運動施設やパークゴルフ場の整備、海水浴場の再開も進める。レストランや宿泊が休止中の町営温泉『わたり温泉鳥の海』は、全面再開に向け、民間経営の導入も含めた手法を検討している。長期的には、首都圏や仙台圏の富裕層のセカンドハウスが集まるような地域に位置付けてもらえるようにしたい」

 −直面する最大の課題は何か。
 「震災で壊れた役場庁舎の移転新築だ。役場庁舎はJR亘理駅東側の公共ゾーンに移す計画だが、周辺整備を含めて膨大な予算が必要になり、町財政が切迫する恐れがある。庁舎は防災機能も担う拠点であり、国や県に財政支援を願いたい」(聞き手は亘理支局・原口靖志)


2016年03月08日火曜日

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