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秋田港の隠れた名所 うどんそば自販機引退へ

3月末の閉店を知らせる紙を側面に貼った自販機の脇で一服する佐原澄夫店長

 秋田市の秋田港近くにあり、隠れた名所として40年以上も親しまれてきたうどんとそばの自動販売機を設置する佐原商店(同市土崎港西1丁目)が、3月末で廃業することになった。佐原孝夫社長(73)が高齢を理由に決断し、5日夕、店に閉店を知らせる貼り紙を出した。閉店情報はインターネット上で広がり、自販機の利用客からは驚きと惜しむ声が上がっている。
 佐原商店は船舶向けの食料販売業として1958年に創業。かつおだしのつゆとつるつるした食感の生麺が人気のうどんとそばの自販機は73年ごろ設置した。
 自販機は故障の度に取り換え、現在は4台目。1杯200円の価格は石油危機や消費税導入の際も「値上げした記憶はない」(佐原社長)という。多い日は250〜300杯売れる。
 同様の自販機は70年代に全国で設置され、多くは姿を消した。懐かしさなどから市外から通う根強いファンも多い。昨年、テレビ番組で取り上げられたこともあり、県外からわざわざ訪れる人もいる。
 同商店は佐原社長と弟で店長の澄夫さん(65)夫妻の3人で切り盛りしてきた。佐原社長らは3年ほど前から引退を意識。後継者を探したが見つからず、廃業を決めた。自販機については「置いてくれる商店や企業が近所にあれば譲りたい」と話す。
 30年来の常連だという秋田臨港署の若狭武志署長(60)は「夜間パトロールの際、胃袋を温めてもらった。残念だがお疲れさまと言いたい」とねぎらった。


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2016年03月08日火曜日

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